一季出版株式会社

2024.09.04
2024/9/4 星野リゾートの星野代表、需要の強い初めての経験と

国内外で69の宿泊施設を運営する星野リゾート(長野県佐久郡軽井沢町)は、4月17日にオンラインプレス発表2024春を開催し、今後の開業情報や星野佳路代表による観光市場の概況解説、グループの戦略を発表した。
星野代表はコロナ禍において観光業の置かれたフェーズは2つに分けられると思うとして、まず「需要喪失」のフェーズがあり、アフターコロナにおいては需要回復に伴う「労働力不足」が日本だけでなく世界的に起きたと説明。同リゾートにおいても雇用を継続して力を入れていたが、22年10月から退職率が高まることとなり、23年は1年間かけて対策に追われたと振り返る。そして各施設の業務の最適化を行うべくスタッフとも話し合い検討してきたところ、従来の「収益力」と「顧客満足度」の指標に「ブランド力」、「集客力」、「スタッフの身体的負担」、「スタッフの心理的負担」を加えた6つの要素を高いレベルでバランスよくさせることがレベルの高い運営だと定義して、標準業務、必要人員を揃えることにしたという。

そして労働力不足の中で良い人材を観光産業に集めるため公休数を増やしたり、初任給も大幅に上げ、また地方採用、地方大学出身者を増やし、採用サイトもリニューアル。2024年は750名を採用し、彼らが独り立ちする7月には完全に労働力不足が解消する見込みで、今年度も施設は増えるので1050名の採用を目指しているという。
今の観光需要はオーバーツーリズムと言われ、星野代表自身が初めて経験する「強い需要」を感じているが、料金は上げすぎずにコントロール(キャップ)することが顧客満足度を維持すると考えているという。また今のように国内の大都市、観光地に需要が集中すると観光立国の戦略とは逆方向に向かっているとして日本の得意な文化観光の他に国立公園に注目した自然観光、CSV経営に力を入れ、利益を追い続けるパワーを社会貢献活動として両立させて持続させたいとしている。
その1例として、2017年までゴルフ場も運営していたトマムリゾート(北海道)では、乳牛を育て北海道らしい原風景に戻そうと続けてきた結果、メディアにも度々取り上げられ、結果としてCSV経営として、リゾートの集客、収益にも結びついたことなどを説明した。

また同グループでは旅行や観光地への関心を高めるために公式サイトの再構築を数年かけて行っているという。
なお、同リゾートでは2024年に5施設の開業、1施設のリニューアルを予定。4月に「OMO5東京五反田」、6月に「OMO7高知」、7月に「OMO5函館」が開業・リニューアルオープン。温泉旅館「界」は4月に「界 秋保」、9月に「界 奥飛騨」が誕生。そのほかの個性的施設として6月に「1955 東京ベイ」を開業予定としている。「1955 東京ベイ」は1泊9000円(2名1室利用時1名あたり、税込、食事なし)の設定だが、その他の施設は1泊2万8000円から3万6000円がベースの価格となっている。

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「ゴルフ特信」第7074号より一部抜粋

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