2024.09.13
2024/9/16 ㈱平和の24年3月期決算、売上高4・2%減で減収減益
パチンコ等の遊技機器メーカーで、ゴルフ事業のパシフィックゴルフマネージメント㈱(PGM、田中耕太郎社長、東京都台東区)を完全子会社としている㈱平和(嶺井勝也社長、同)は5月10日に、2024年3月期決算(2023年4月~24年3月)の連結業績を発表した。
同期の売上高は1363億81百万円(前年同期比4・2%減)で、営業利益234億30百万円(12・9%減)、経常利益227億46百万円(14・6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益166億11百万円(19・7%減)と減収減益となった。決算資料等によるセグメント別では、遊技機事業がパチスロ機の販売台数が増加したものの、パチンコ機の販売台数が減少したため、売上高401億56百万円(前期比20・8%減)、営業利益69億17百万円(前期比54・4%減)と前期比で減収、減益となった。
ゴルフ事業では夏の暑さ対策として好評の送風機付ゴルフカート「Cool Cart」、PGMサポートプロと一緒にプレーできる「withGolf」を拡大することで、他社との差別化を推進。収益構造の改善の施策としては、ビジターのロッカー利用の選択制、フェアウェイカート乗入の有料化等の取り組みを継続。また、GPSを活用した無人芝刈り機や配膳ロボットを計画的に導入し、業務の効率化・省力化を推進した。M&Aでは「武庫ノ台ゴルフコース」を取得し、23年10月2日より運営を開始したとしている。
年度末のゴルフ場148コースの来場者数は905・4万人(9・6万人、1・1%増)、顧客単価9597円(399円、4・3%増)で、新規取得ゴルフ場も貢献し、売上高962億25百万円(前期比5・0%増)、営業利益192億50百万円(前期比32・0%増)と増収、増益となった。営業利益率は20・0%で4・1P上昇した。5月、6月に雨が多く8月は記録的猛暑となりラウンド控えがみられたが第3四半期以降は台風や豪雨の影響もなく暖冬となったことで、プレー需要は好調に推移したという。しかし人手不足の深刻化や物価・賃金の上昇等のゴルフ場運営への影響が懸念されているとした。各種費用では、広告宣伝費は前期に男子ゴルフトーナメントを開催しており、今期は未開催のため前期比で減少、研究開発費は画像制作等の強化により増加、設備投資は主にゴルフ事業における沖縄ホテルプロジェクトに関わる設備投資が増加した。
同社の総資産は、前連結会計年度末に比べ43億02百万円増加し、4280億29百万円となり、新規ゴルフ場の取得等により有形固定資産が59億66百万円、原材料及び貯蔵品が42億22百万円、受取手形及び売掛金が24億55百万円増加する一方、有価証券(投資有価証券含む)が90億90百万円、現金及び預金が29億51百万円減少。純資産は、当期純利益の組み入れで増加した一方、剰余金の配当により減少したこと等により、前年度末より81億80百万円増加し、2391億85百万円となり、自己資本比率は、54・5%から55・9%に上昇したとしている。
今後の見通しに関しては、25年度通期予想は売上高1582億円(16・0%増)、営業利益300億円(28・0%増)、経常利益292億円(28・4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益200億円(20・4%増)と増収増益を見込む。株主配当は中間配当1株40円、期末配当1株40円を実施し、25年3月期も同様の予定。
ゴルフ事業は売上高で2・7%増の見込み。遊技機は47・9%増と急回復の見込みという。費用面ではゴルフ事業は、Cool Cartの導入拡大、ナイター設備の増設、ホテルプロジェクトに関する設備投資等のため増加を見込む。
ちなみにゴルフ事業についての伸びは少な目だが、次の通りの説明もある。コロナ禍を契機とした旺盛なゴルフプレー需要は継続することが予想され、来場者及び顧客単価については堅調に推移すると想定される。一方、コロナが明けたことによる他レジャーへの流出が懸念されるが、サービスの向上や多様化する顧客のニーズを取り込める施策の実施などにより顧客から選ばれる企業になることが求められる。引き続き、ゴルフ場の土日祝日の稼働率は100%に近い水準で推移しているが、平日の稼働率にはまだ伸びしろがあると認識しているという。
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