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2024.09.18
2024/9/18 リゾートトラスト、売上高18・8%増も純利益は6%減

東証プライム市場等に上場するリゾートトラスト㈱(伏見有貴代表取締役社長)は5月15日に2024年3月期(23年4月~24年3月)の連結業績を発表した。
同期の売上高は2018億03百万円(18・8%増)、営業利益211億19百万円(72・1%増)、経常利益218億07百万円(64・6%増)で、親会社株主に帰属する当期純利益は158億92百万円となったが前年同期比では6・0%減少した。

決算説明資料によると、当期純利益では、特別利益約90億円を計上した前期をやや下回ったものの、それを除けば、売上高および全ての利益項目で過去最高益を更新し、また、昨年11月に上方修正した利益計画を全て上回った。トピックス的には24年3月25日に「サンクチュアリコート高山」(岐阜県)が開業、ホテル事業では人件費等の増加を稼働・単価上昇効果が上回り増益となった。ホテル会員権では838億円となり、サンクチュアリコートシリーズを中心にホテル会員権販売が好調に推移。前年、2物件の発売効果があり過去最高であった826億円を更に上回った。メディカル会員権も87億円となり、これまで過去最高であった2022年3月期の74億円を20%近く更新したという。今後については、上期の販売在庫状況を勘案し、契約は前期を若干下回る想定。年度の中盤以降には新規物件を複数投入予定。24年10月に「サンクチュアリコート琵琶湖」(滋賀県)が開業予定で、繰延べている不動産利益を一括計上予定。翌期、中計3年目の2026年3月期に向け3期連続最高益を予定としている。

ホテルやメディカルの契約高は過去最高の販売ペースを維持し、特に下期は加速。会員増加数は、物件別・タイプ別の在庫進捗に応じた戦略的な切替を行っていたこともあり前年度に比べてやや減少となったが、7500口を超える順調な増加と説明している。
会員制ホテルの年間稼働率(エクシブ+ベイコート計)・消費単価はコロナ前を超えて大きな回復をみせた前年をさらに上回る55・3%となり、単価も2万2008円で2202年11月からの価格改定が通期寄与し、対前年で順調に上昇しているという。
2023年度の施策実行したトピックスとしては会員権価格の見直しによる「収益力の向上・収益性の改善」、ベア+昇給、賞与乗率の引き上げ等の「人財・サステナビリティ」、取締役会のガバナンス体制強化やROE12%の目標水準に向けた自社株買い、MSCIの女性活躍指数に加え、ESGセレクトリーダーズ指数に新たに選出するなど「資本効率・ガバナンス」を挙げた、

25年3月期通期予想は売上高は2332億円(15・6%増)、営業利益220億円(4・2%増)、経常利益225億円(3・2%増)で、親会社株主に帰属する当期純利益は159億円(同)。配当金は普通配当金を4円増配し、年間54円の予想。前年は普通配当50円、記念配当4円の合計54円で過去最高水準の配当金額となる見込みとした。
同社の決算開示資料はゴルフ場単独の資料はなく、ホテル・レストラン事業に含まれて報告されている。グループ会員数は20万529人(前年同期比5665人増)でうちゴルフは3万44人(85人減)となっている。

なお、重要な後発事象として2024年4月16日開催の取締役会において、GC金沢リンクス(18ホール、金沢市)を経営する大浜リゾート開発㈱の株式を取得して子会社化することを決議し、4月25日付で株式を取得したことにより子会社化したと報告。企業結合を行った主な理由として、会員制ホテル用地としてゴルフ場の一部土地を取得していたが、ゴルフ場の運営会社を取得してホテルとゴルフ場の一体経営をするためと説明。取得した議決権比率は93・7%で、株式の取得の対価は現金で2億22百万円と開示した。

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「ゴルフ特信」第7082号より一部抜粋

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