一季出版株式会社

2024.10.21
2024/10/21 山梨県、約30年振りゴルフ場開発の実質凍結を解除へ

山梨県の長崎幸太郎知事は6月11日の定例記者会見で、提出予定案件及び編成中の令和6年度6月補正予算案について説明し、最後に「山梨県ゴルフ場等造成事業の適正化に関する条例の改正」について説明し、約30年振りにゴルフ場の新規開発の申請受付を行う方針を明らかにした。

会見内容は動画及びテキストで公開されており、同条例に関する会見では「本県におきますゴルフ場開発ですが、昭和48年に条例を制定し、造成事業の適正化を図ってきたところであります。その後、バブル景気のもとでの過剰な開発が懸念される中、ゴルフ場の開発は実質的に凍結をして参りました。この点、先般、県議会から、県土の強靱化と高付加価値化を推進するためには、良好な地域環境を確保しつつ、民間による適切な投資・開発を取り込んでいくべきとのご提言をいただいたところであります。これを踏まえまして、地域の意向を十分尊重するとともに、自然環境との調和が図られる開発につきましては、これを認めることといたします。併せて時代に即しました合理的な設計が可能となるように、条例で定める設計基準の見直しを行います。今後とも、社会情勢の変化に適時・適切に対応し、良好な地域環境の確保とともに、県土の強靱化、高付加価値化を推進して参りたいと思います」と説明している。

その後の質疑応答でゴルフ場開発の具体的要望があったのかとの質問に知事は「まだ正式な話としてはきていないのですけれども、可能性があり得る話としましてはゴルフ場の増設、コースの増設をしたいということで、これは東部地域ですけれども、その増設の要望がございます。併せて、そこに高付加価値な宿泊施設も考えているような構想があるように伺っておりますので、そういうものがあると多く地元の皆さんの雇用の場ができるということで私たちはこの条例と合わせてそういうものについて、もちろん環境を破壊しないことは大前提ですし、地元からの賛成というか、要望があることもまた大前提ですけれども、そういうものを踏まえて、それは正面から向き合っていきたいと考えているところであります」と回答している。

山梨県東部は、上野原市や都留市にゴルフ場が多く、凍結前に定めた市町村面積の2%以内の基準の総量規制により開発申請ができなかった。このため運用基準の見直しを行わないとこれらの地域では新たな開発申請ができない。
県森林整備課では「これら総量規制もあり、知事が話された構想が具体的に相談があった訳ではありません」と話している。
1993(平成5)年10月から開発計画申請を実質凍結し当時あったゴルフ場開発計画は開発断念や失効等で消滅している。ゴルフ場開発構想が浮上してくるのかは不明だが、おそらく宿泊施設等を構想しているのは実績のある企業グループであり、観光景勝地の富士山を抱え、リニア建設を控えた山梨県でゴルフ場開発が始まるのか、注目される。

ゴルフ特信」第7094号より一部抜粋

過去のお知らせ一覧はこちら