2018.12.01
2018/12/1 業界大再編、アコーディアとオリックス・ゴルフ・マネジメントが同じグループに
㈱アコーディア・ゴルフを傘下に持つＭＢＫパートナーズは11月14日、オリックス㈱からオリックス・ゴルフ・マネジメント㈱（ＯＧＭ）のゴルフ場事業を取得すると発表した。
発表によればＯＧＭは、国内で業界第３位となる全国39カ所のゴルフ場と２カ所のゴルフ練習場を運営。カジュアルから接待利用などまで、多種多様なコースバリエーションが揃っていることが特徴で、年間を通して安定した稼働実績を有しているという。
ＭＢＫパートナーズは、ゴルフ場運営大手の㈱アコーディア・ゴルフを保有し、全国１３５カ所のゴルフ場と27カ所のゴルフ練習場を運営する。そのアコーディア・ゴルフでは約３３０万人のポイントカードホルダーを有する業界トップクラスの総合力を生かした運営に加え、アプリでのモバイルチェックインなど、ＩＴを活用したサービスを提供しているとも紹介している。
ＭＢＫパートナーズは２００５年３月の設立で、日本、中国、韓国の東アジア地域に特化した独立系プライベート・エクイティ・ファームと説明。国内外の公的年金、企業年金、大学基金、政府等の投資家の支援で、現在約１５５億米ドル（約１兆７０００億円）の運用金額を有し、大企業から中堅企業まで幅広く投資を行い、積極的に企業価値の最大化のための経営支援を行っているという。
設立以来30件の投資実績がある。国内では㈱ＴＡＳＡＫＩ、㈱ユー・エス・ジェイ、㈱コメダなど７件の投資実績があり、コンシューマー向け事業への成長投資を手掛けた実績の一環としてゴルフ場事業のリーディングカンパニーである㈱アコーディア・ゴルフを保有していると説明。また韓国においては世界最大のゴルフシミュレーター会社であるＧｏｌｆｚｏｎとともに12コースのゴルフ場を所有。ウェブサイトwww.mbkpartnerslp.comに詳しい情報があると紹介している。
一方、オリックス㈱（井上亮社長、東京都港区）でも11月14日に１００％子会社のオリックス・ゴルフ・マネジメント㈱（谷本護社長、東京都港区、２００４年11月設立）をＭＢＫパートナーズに譲渡するとともに、ＭＢＫパートナーズのゴルフ事業持株会社の株式持分約５％を取得することで合意したと発表した。
オリックスは１９８６年にゴルフ事業を開始し、30年以上ノウハウを蓄積してきたが、「昨今の業界の環境変化を踏まえ、ＯＧＭが今後も顧客サービスの向上を図り、安定した事業基盤を確保していく目的で本事業譲渡を行う」としている。さらに「ＭＢＫパートナーズの傘下のもとで、ＯＧＭとアコーディア・ゴルフがそれぞれの強みを生かして事業シナジーを発揮し、両社を合わせて国内最大のゴルフ場運営会社としてのスケールメリットを最大限活用し、ともに成長していくことが最良であると判断した」という。
事業譲渡の方法としては、ＯＧＭのゴルフ事業及びゴルフ練習場事業などを新会社に承継させたうえで、その新会社の全株式をＭＢＫパートナーズが組成した投資目的会社である㈱ＭＢＫＰ Ｇｏｌｆ Ｍａｎａｇｅｍｅｎｔ（加笠研一郎代表、東京都千代田区永田町２の10の３、今年１月設立）へ譲渡する方法により行う。同時にオリックスはアコーディア・ゴルフと新会社の株式持分を間接的に約５％取得する。株式譲渡・出資実行は来年３月１日の予定。
同社広報によると、「ゴルフ業界の活性化と市場の成長の底上げに期待する。会員のプレー権や預託金などは同条件で引き継ぐ」としている。オリックスが取得するのはＭＢＫパートナーズ傘下のゴルフ場事業の持株会社の株式で、同持株会社がアコーディアや旧・ＯＧＭのゴルフ場事業会社の株式を保有することになる。
ＭＢＫパートナーズは、アコーディア・ゴルフを買収し完全子会社としたことにより昨年３月に同ゴルフを上場廃止。その後、ゴルフ場の買収や売却など再編を続けてきており、今回業界３位のＯＧＭを傘下に収めることが決まったことで、業界トップになると説明している。
ちなみに現在のゴルフ場保有・運営のトップは平和・ＰＧＭグループの１３９コース（内保有１３７コース）で、ＰＧＭ側も来年２月に千葉のレイクウッド系２コースを取得するなど買収合戦の様相だ。
ＭＢＫＰでは今回の発表にあたり、ビジネストラストをシンガポールに上場している間接保有のアコーディア・ゴルフ・アセット（ＡＧＡ、89コース）も含め、アコーディア・ゴルフ運営のグループコースとして紹介している。同社のビジネスモデルからして、いずれゴルフ場事業会社の再上場を目指すとみられる。
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