2019.06.05
2019/6/5 静岡県、ワンオンゴルフのゴルフ場利用税半額を決定
静岡県は、18ホール全てをP3で回る競技形式「ワンオンゴルフ」をプレーする場合、ゴルフ場利用税額を半額とすることに決めた。県では競技拡大により、利用者増を期待しており、全国の都道府県でも初めての適用という。
同県では、県税の規則を改定し、利用税の税率軽減対象に「コースの合計の長さが2分の1以下である利用」を追加。ゴルフ場の規模などにより450~1200円となるゴルフ場利用税が半額に軽減される。
静岡県ゴルフ場協会(安達光三会長)でも、ゴルファーの高齢化による利用者減少を懸念して、県内の御殿場市(会長所属の富士CC)や伊東市(認定第1号のサザンクロスCC)、熱海市(西熱海G場)の3ゴルフ場で同形式でのプレーを導入し、同協会としても利用税の軽減を要望していたという。
ワンオンゴルフは、通常の18ホールのコースを使用して、すべてのホールをP3でラウンドするもの。一般社団法人・ワンオンゴルフ協会(吉川丈雄代表理事、東京都中央区)が昨年4月に「Game54」(平成29年9月29日特許出願)の概要を披露。プレー時間が短縮され、ゴルフの醍醐味であるグリーン回りの攻略に集中できること。また、プレーする際に体力や飛距離に依存しないので、ゴルフの経験や年齢、性別を問わない上、新たな工事は必要ないとして、ゴルフ場及び関連企業に加盟を呼び掛けていた。
吉川代表理事は「静岡県をモデルケースとして、全国に広まり、初心者や女性などより多くの人にゴルフを楽しんでもらいたい」と話している。ワンオンゴルフ形式は、千刈CC(兵庫県)、箱根園G場(神奈川県)でも導入済みで、静岡県の伊豆市では趣旨に賛同して、ゴルフ場への導入を働きかけているという。
利用税の軽減措置は都道府県によってマチマチで、静岡県でも早朝や薄暮の9ホールプレーの際、通常料金より半額以下だと利用税が半額になる減税措置があったが、18ホールのプレーでは対象ではなかった。また近年、前方ティも増えているが、「合計の長さが半分」まで短いところは少ないようで、同県でも「3分の2程度でも減税の対象にはならない」と説明している。
いずれにしても、プレー料金が低額化した今となっては利用税の負担額は少なくない。18歳未満や70歳以上、障害者などの免除は全国的にも実施されているが、ゴルフ振興に向けて、将来のゴルファーを増やす取り組みを各自治体が始めれば、より効果が期待できそうだ。