2019.07.17
2019/7/17 ゴルフ場用地関連のメガソーラー、稼働100件突破
ゴルフ場の遊休地や跡地、計画用地等のゴルフ場関連用地を使った計画を含むメガソーラー基地を改めて調査したところ全国で184カ所となり、昨年同時期と比べて6カ所の増加にとどまったが、ゴルフ場用地を利用したメガソーラーが100件を突破したことがわかった。
メガソーラー基地計画はこれまでに全国で192件あり、内2件がメガ規模以下で、6件が断念しており、実質184件が残った。一昨年の同時期は176件で、昨年は2件増の178カ所だった。
ゴルフ場用地関連のメガソーラー基地・計画を報じた時期で振り返ると、平成23年はショートコース跡地のみの2計画だったものが、24年にゴルフ場跡地等で10カ所、25年に39カ所、26年には50カ所に増えた。しかし、電力買取価格の低下と、電力会社との系統接続の制限で徐々に減少。27年は32件、28年33件、29年は前半だけで11件、30年は4件、31年はこれまでに3件と新たなメガソーラー計画は一昨年から明らかに減少した。これは売電価格の低下で買電ブローカーや開発業者が撤退し、パネルメーカーや外資系くらいしか残らなくなったもの。認可済み計画の売却案件も増加しており、開発当時発表の完成時期や売電開始時期についても動向がつかめなくなってきている。もっともゴルフ場の閉鎖報道は依然少なくない。しかも閉鎖決定ゴルフ場はメガソーラーへの転用可能性も高いとみられている。ある栃木県南部のゴルフ場は年内一杯で営業を終了すると地権者への説明を行っているというが、電力開発業者の許認可待ちでまだ流動的だという。同県北部のゴルフ場では太陽光発電への転用を決めているものの2年間の暫定営業をさらに延長している。
メガソーラーの売電価格は入札制に変わったことで、太陽光発電計画の承認とゴルフ場営業を天秤にかけるケースが増えそうだ。
ところで184件の売電・稼働状況は、106件が稼働済みで、残り78件では20カ所程度が着工済み、その他は検討中や不明であった。
売電・稼働時期では24年1カ所、25年19カ所、26年24カ所、27年19カ所、28年20カ所、29年12カ所、30年9カ所、31年1カ所となっているが、未確認の計画が予定通り完成していると稼働済みは110件程度に達している。
確認できたゴルフ場用地関連のメガソーラー基地・計画184件の内訳は、営業中ゴルフ場の遊休地を活用する「Ⅰ既設余剰地」が23コース(全稼働済み)、営業中ゴルフ場の一部を閉鎖して活用する「Ⅰ-Ⅱ既設一部転用」が25コース(稼働19カ所)、営業中ゴルフ場のホールを全面閉鎖する「Ⅱ既設閉鎖転用」が87コース(稼働36カ所)、閉鎖したゴルフ場を活用する「Ⅲ元既設跡地」が10カ所(稼働10カ所)、建設中や認可未着工ないし過去に事業廃止したゴルフ場開発用地を活用する「Ⅳ建設・計画」が26カ所(稼働9カ所)、ショートコース等活用の「Ⅴショートコース等」が12カ所(稼働9カ所)となった。
ⅠからⅢの既設ゴルフ場を利用したメガソーラーは計146カ所(前年比3カ所増)となり、うち稼働済みは88カ所(15カ所増)となっている。これら既設ゴルフ場を利用した稼働済みメガソーラーの県別上位は栃木12カ所、茨城・群馬9カ所、福島7カ所と福島と北関東が上位で以下、愛媛4カ所、宮城・三重・京都・兵庫・島根3カ所となった。
なお、7月中に発売予定の『2019年ゴルフ場企業グループ&系列』では、これらゴルフ場用地を利用したメガソーラー計画や、再開場不明な閉鎖ゴルフ場の中でメガソーラー転用が予想される計画も収録する予定。
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※「ゴルフ特信」第6391号より一部抜粋