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2019.07.26
2019/7/26 西日本豪雨から復旧し、呉カントリークラブ(広島)18H全面営業へ

昭和46年開場の呉カントリークラブ(18ホール、広島県呉市)は、昨年の西日本豪雨で一部コース内で崩落があるなど甚大な被害を受けたが、これまでの復旧作業で18ホール営業再開の目処が立ったとして、18ホール全面営業再開日を8月1日に決めた。また豪雨から1年となる7月6日には、芝生の上をウォーキングしながら復旧状況を見てもらう入場無料イベントを開くと案内した。

同クラブによれば、昨年の豪雨でコース内の至るところで倒木や斜面の崩落が発生、18ホール中、アウトコース中心に8ホールに及び、県内ゴルフ場で最も甚大な被害を受けたという。電気や水道も止まり、ゴルフ場までのアクセス道路である市道が寸断され、従業員もゴルフ場にたどり着けず、一時休業とせざるを得なかった。そして比較的被害が少なかったアウト、イン6ホールずつの12ホールで昨年9月16日から暫定営業を再開し、今は復旧作業の過程でインコースの9ホールを2回まわる方式で営業している。
コースは特に2、3番の被害がひどく、復旧作業では大きく崩落した3番の崩落個所に土砂を埋めるため、2番ホールを削っていたが大きな岩が露出したためそこで掘削を停止。崩落個所を埋めるだけの土砂が圧倒的に足りなかったが、P4をP5に変えたりして、被害の痕跡を残すような形のまま修復した。その結果、2番ホールは起伏に富んだ形状、3番は土砂を削ったため瀬戸内を眺めながらプレーできる景色に変わったという。
7月6日のウォーキングは10~15番を歩いてもらい、普段ゴルフ場を訪れたことのない地元の方や復旧を支援してもらった方に感謝の催しを開く。プロによるゴルフのワンポイントレッスン、吹奏楽団や歌手、よさこいチームのステージも行う予定としている。

また、1カ月ほど前から寸断されていた市道の復旧工事が始まっており、2016年から毎年5月に開いていたJLPGAステップアップツアーの「ダイクレレディースカップ」も8月21、22日に開くこととなった。
㈱ダイクレ(山本浩社長、呉市)は、同クラブ経営の呉国際観光㈱(山本浩社長)の親会社で、グレーチングのトップメーカー。復旧に要した被害額の一部はNGKなどの働きかけもあり、補助金が受けられる見込みとなったが、今回の復旧工事は全面的に親会社に支援してもらったという。
ちなみに、補助金については一般社団法人・日本ゴルフ場経営者協会(NGK)が6月号の会報で報告している。西日本豪雨災害で被災した「広島県・岡山県・愛媛県」の「ゴルフコース復旧」が新たに「グループ補助金」の対象として認定されたと報告。広島県では6月18日までに被災した19ゴルフ場がグループを形成し、広島県に認定申請を行い、7月中旬の認定で8月中には被災ゴルフ場毎に具体的な補助金額が決定される見込みとしている。
自然災害でのコース復旧工事費用は、これまで保険金や補助金の対象外で自力で再建しなければならなかったが、国が西日本豪雨を東日本大震災や熊本地震と同様の大規模災害として適用した。
広島県中小企業等グループ施設等復旧整備補助事業(グループ補助金)によると、15億円を限度に中小企業で4分の3や中堅企業で2分の1の補助金が助成される制度。NGKが報告している通り、ゴルフ場グループへの補助金認定が近く決まるようだ。

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※「ゴルフ特信」第6393号より一部抜粋

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