一季出版株式会社

2020.04.06
2020/4/6 R&Aが飛距離に関する長文のレポートを発表

2月4日付けでR&Aが発表した「ディスタンスインサイトプロジェクト」のレポートに関して、タイガー・ウッズが反応するなどちょっとした波紋を広げている。
日本ゴルフ協会(JGA)が翻訳した要約ページ「ディスタンスインサイトプロジェクトからの結論 ゴルフにおける飛距離の影響」でも15ページに及んでいる。
例えば、前文では〝ゴルフは同じ規則に基づき、同じコースで、すべてのレベルのゴルファーによってプレーされる、技量と挑戦が必要な楽しめるゲームであるというコア原則を常に尊重し、強化することが私たちの目標です。ゴルフ規則では「ゴルフはその成功がプレーヤーの判断力、技術、能力によって決まる挑戦するゲームである」とその基本理念を規定しています。同様に、用具規則でも「ゴルフの伝統を守り、ゴルフの練習や技量よりも製造技術の進歩に過度に依存しすぎることを防ぎ、ゴルフゲーム全般にわたって技量の差を残すようにすること」を求めています。球をティーから最も少ない打数でホールに入れることの成功は、ひとつあるいは少数の要因が優位に影響して決まるのではなく、多くの異なる技量や判断を使うことによって決まるべきであるということがゴルフの永続的な基盤です。私たちの見解では、コースの全長を伸ばし続ける必要なしに、世界中の多様なゴルフコースでのプレーでこの基盤に忠実であり続けることが絶対に必要です〟と主張している。

そして、ゴルフの持続可能な未来に向けて、飛距離に関して包括的に理解するプロジェクトで取り組んできた結論を述べたものという。
「2002年R&A/USGA飛距離についての原則の共同声明」でR&Aは「最高レベルでのさらなる飛距離の著しい増加は望ましくないと考えます」等として、問題を提起したが、それ以降も飛距離は年々伸び続けているとして、飛距離に関する包括的なレポートを今回、発行することにしたという。

その方向性については、「要約すれば、増加の一途をたどる飛距離とコースの全長の継続的なサイクルに終止符を打つことができれば、今後数十年にわたって、またその後もゴルフは最もよく繁栄すると私たちは考えます。増加する飛距離、より長いコース、より距離の長いティーからプレーすること、そしてより長いプレー時間はゴルフを間違った方向へと向かわせている」等として、ゴルフを将来的に持続可能なスポーツ、産業とするために必要な措置を講じていこうと提案している。
具体的には①飛ばないクラブ、飛ばない球を使うといったローカルルールの導入、②飛距離に影響を与える用具に関する仕様・設計規則の修正および追加--などを検討するという。

そして、2月4日の発表から45日以内に、より細かな検討項目について案内を出し、その後メーカーや様々な意見を9~12カ月かけて収集し、その結果を発表するという。発表の際は新たな規則について定める場合は、各メーカーからの意見も聞くこととなるようだ。
今回のレポートの中には現状のアマチュアゴルファー向けフォワードティでも、まだ飛距離が長いと指摘する意見も載せられており、新たな提案が加わる可能性もあるようだ。
日本のゴルフ団体ではゴルフ活性化策の一つとして、アメリカのフォワードティにならい、より短い距離のティーの設置が進んでいる。それらの動向にも影響を与えるプロジェクトになるかもしれない。

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※「ゴルフ特信」第6478号より一部抜粋

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