2020.08.01
2020/8/1 NGK定時総会開催、当面は新型コロナ対策に注力
一般社団法人・日本ゴルフ場経営者協会(NGK、手塚寛理事長、東京都千代田区)は6月10日、都内で第8回定時総会を開催し、第8期(2019年4月~20年3月)の事業報告、第9期(20年4月~21年3月)の事業計画及び予算を審議し、いずれも承認を得た。新型コロナの問題により、ソーシャルディスタンスを保ち、執行部が要点を絞って審議し、コンパクトな会議となった。事業報告では大石順一専務理事が報告した。
2019年度のゴルフ場入場者数は、前年度を140万人程度上回る8600万人強となり、2016年度の水準に回復する結果となった。第3四半期に東日本を中心にした台風被害により東日本はかなり減少したが、新型コロナウイルス感染症による自粛で影響が懸念された第4四半期もこの時点では影響が軽微だったという。ただ10年以内にゴルフ場入場者数は高齢化によるリタイア、総人口の減少により、大きく減少するということが予測されているので、ゴルフ界全体で抜本的な対策を講じる必要が一層高まっていると報告している。
その他、同協会では雇用人員の不足等の問題から、コース管理課職員の外国人技能実習2号移行職種への認定を目指した各種活動に取り組んだ。また労働力不足への対応として「働き方改革関連法」に関して「同一企業内の同一労働・同一賃金」、「ゴルフ場高齢者雇用推進ガイドライン」等のセミナーの実施、「地球温暖化防止」、「廃プラによる海洋防止」活動についてはゴルフサミット会議で日本のゴルフ界全体の活動方針に取り上げられたことを報告した。
一方、事業計画案では今期は2月に計画を立てて実行する予定だったが、新型コロナウイルス感染症の関連で様々な障害が発生し、特に4月と5月に「緊急事態宣言」が発出されたことから、当初予定の事項が実施できない部分も出てくることを想定。ただ今年度は新型コロナウイルス感染拡大防止という観点をまず最重点項目において活動しようということで、急遽方向性を少し転換したという。
その結果、5月14日に内閣官房のホームページに『ゴルフ場としての「新型コロナウイルス感染症」感染拡大防止ガイドライン 』が公表された。これにより5月25日に緊急事態宣言がすべての都道府県で解除されたが、ゴルフ場の営業自体は新しい生活様式をゴルフプレー、ゴルフ場経営に落とし込み、かつ、ゴルフ場特有の事由や施設運営上の注意点を加味したガイドラインに則って全国のゴルフ場に、クラスター化のような大きな事由が発生しないように営業していくことをお願い申し上げているところと報告した。
その他、①労働力不足への対応、「外国人材の受入れ」に関しての技能実習評価試験制度、②「地球温暖化防止」、「廃プラによる海洋汚染防止」活動、③市場活性化策の検討、④ゴルフ場経営のコストダウン--の4つの大きな柱については感染症がある程度落ち着いた後、あるいはwithコロナと言われているコロナウイルスとの共存をはかりながら、展開していく予定とした。
①の労働力不足、「外国人材の受入れ」に関しては、最後の1つの要件である技能実習評価試験制度を行う予定で、早ければ来年春からベトナムからの受入れを目標としていたが、延期せざるを得ない状況という。
それと、②に関しては今年7月1日からコンビニ等でレジ袋が有料化となり、withコロナと言われている時代においても少しずつ活動を浸透させていく必要性があると思い、活動をしていくという。
③は9ホールや18ホールスルーなど「短時間プレー」を推奨。「技能・年齢に適合したプレー距離」(USGAが推奨する「Tee it FORWARD」)の啓発活動を実施する。
また「女性ゴルファーの創造」に向けた施策として、「ピンクリボン月間」(10月)への参画を呼び掛ける計画だったが、今年は大々的には活動できないなどとしている。
2020年3月末現在の会員数は146ゴルフ場で、年間最大で18ゴルフ場の会員増強を目指すとしている。
なお、同協会を含むサミット会議の16団体では〝ゴルフを愛する皆様へ〟(新しいゴルフスタイルを共有してプレーを楽しみましょう!)と題して、6月19日の移動解禁に向けマスクの携帯と着用など新しい生活様式で基本となる8つの対策を紹介したポスターを製作し、会員ゴルフ場他に使ってもらえるようPDFで配布した。また同協会が中心となって作成したゴルフ場のガイドラインは浴室対策について、経産省と調整中としており、更新も検討中という。