2020.11.21
2020/11/21 家計調査で見る、コロナ禍でのゴルフへの消費
コロナ禍にあっても国内やアメリカ、韓国でゴルフが比較的人気となっていることが報じられており、国内でもゴルフ練習場で若い人が増えているとPGAの倉本昌弘会長が会見で報告したほどだが、この状況が総務省統計局の「家計調査」(家計消費編、二人以上世帯)でも鮮明になっている。
同統計局がまとめた7月の「家計調査」(家計消費編、二人以上世帯)によると、消費支出額は26万6897円で前年同月比は実質7・6%の減少(名目7・3%の減少)で、特別定額給付金の影響で実質1・2%減だった6月よりは落ち込んだ。
一方で7月の勤労者世帯の実収入(二人以上の世帯)は、1世帯当たり68万5717円で、実質9・2%の増加、名目9・5%の増加となり、6月の実質15・6%増よりは下回ったが、配偶者の収入や他の世帯員収入が増えた。可処分所得は11・7%増の56万1673円で6月の84万円ほどではないが平均では大きく膨らんでいる。
7月の消費支出のうち、焦点のゴルフ関係をみると、ゴルフ用具の支出が116円で6月の76円を上回るが前年同月比では21・1%減と大きな減少が続いている。ゴルフプレー料金は676円で前年同月比5・2%減だが、6月の30・8%減から大幅に回復した。ゴルフプレー料金は5月に59・5%減まで落ち込んでおり、急回復となっている。
家計調査は世帯主の年齢毎の数値も出ており、新型コロナ感染拡大とゴルフへの消費も密接にリンクしていることもわかった。
ゴルフプレー料金の月別頻度と支出金額は、対前年比で1月が頻度12・5%減、支出金額14・5%減で始まり、2月に28・6%増、4・5%増と頻度は大きくプラス、3月になると16・7%減、4・5%減、そして4月は57・1%減、57・3%減、5月53・3%減、59・5%減、6月28・6%減、30・8%減となり、7月に頻度は前年同月と同じ、金額は5・2%減まで回復してきた。
世代別でみると、頻度で最も落ち込んだのが4月の60代75・0%減、支出で落ち込んだのが50代の90・0%減。70歳以上は4月も40%前後の減少とそれほど落ち込まず、逆に20~40代は1~3月まで(20代は4月も)が好調で前年を上回るペースとなっている。
さすがにこれら若い世代も5月以降はマイナスも目立つが、1~7月は前半の好調さもあってプラス圏で、20代に至っては7月段階で前年の実績をすでに上回っている。
新型コロナ感染拡大で高齢者のプレー人数が減ったとの声も一部に聞かれたが、家計調査でみるとそれほどでもない。コンペの減少を指摘する声が多いのは、明らかに60代、50代の減少であったことがわかり、それら世代が回復してきたことから、コロナ感染者が減少する以上に、その他の娯楽・スポーツと比べてもゴルフプレーへの戻りが強いことが伺えるデータとなっている。