一季出版株式会社

2020.12.19
2020/12/19 来年1月上旬、4ゴルフ場をサモアの投資会社へ譲渡

ジャスダックに上場する㈱アジアゲートホールディングス(松沢淳社長、東京都港区)が4カ所のゴルフ・リゾート事業を行っている子会社の㈱A.Cインターナショナル(ACI、松原勧社長、東京都港区)を、来年1月上旬にもサモアの投資会社に譲渡する予定であることを10月9日に明らかにした。
同日、連結子会社・ACIの発行済み株式の全て、およびゴルフ・リゾート事業の運営に際し、同社がACIに貸し付けているゴルフ事業用の土地・建物を譲渡することに関し基本合意書を締結し、株式譲渡契約及び不動産譲渡契約の締結に向けて協議に入ることを決議したという。

ACIは、シェイクスピアCC(18H、北海道石狩市)、米山水源CC(同、新潟県上越市)、姫路相生CC(同、兵庫県相生市)、広島紅葉CC(27H、広島県廿日市市)の4施設を運営。同社ではACIに対しゴルフ事業用の土地・建物の賃貸及び貸し付けを行うことにより、ACIの運営事業をサポートしてきたが、新型コロナウイルス感染リスクの影響による来場者の減少等から事業環境の悪化により、ACIの累積損失の解消には長期間を要する見通しであることなどからACI株式及びゴルフ事業用不動産の保有リスクが増大する可能性があると報告。このような状況からACIの譲渡及び事業用の土地・建物の売却によるゴルフ・リゾートの廃止を実現し、早期の資金回収や将来の財務リスクの低減とリアルエステート事業及び不動産コンサンティング事業を中心としたグループリソースの集約化をすすめるとともに、新たな事業への投資を加速するなどとしている。

譲渡するACIの2019年9月期決算は総資産5億38百万円、売上高12億22百万円、営業利益30百万円、経常利益54百万円、当期純利益は10百万円の損失、純資産は9億19百万円の損失となっていた。また同譲渡に伴いACI子会社でゴルフ会員権管理業の㈱ワシントン(松原社長)も譲渡するが、同期売上高は12百万円、純資産は4百万円等となっている。譲渡時期は来年1月上旬を予定、譲渡価格については明確にしていない。
譲渡先は南太平洋のサモアに所在するTrue Harmonic Group(Cui Taoディレクター、資本金1米ドル=Cui Tao氏出資、2019年5月設立)。過去に取引実績があり、信頼のおける相手との発表であるが、サモア外で活動し法人税が免除となる投資会社であるとみられ、その背景などは明らかにしていない。

今回のACIの譲渡は今年3月に実行した建設事業の廃止(南野建設㈱を譲渡)と合わせ同社の2019年9月期売上高の91・3%相当に該当するなど売上構成に大きく影響を及ぼすが、継続事業のリアルエステートやコンサルティング事業、新たな投資事業で収益力の回復に努めていくという。同社は今年7月から空き家問題を解決するビジネスを始めると発表していた。
また2016年には安比高原GCなど2ゴルフ場やスキー場を展開する㈱岩手ホテルアンドリゾートを中国資本とともに手掛けたが、すでに2年ほど前に撤退したとしており、今回ゴルフ場が離れると保有・運営ゴルフ場がなくなることになる。
ちなみにゴルフ場運営大手のPGMは9月30日をもって広島紅葉CCの運営受託を契約満了により終了すると発表していた。

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※「ゴルフ特信」第6571号より一部抜粋

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