2021.01.05
2021/1/5 アコーディア・ゴルフ、88ゴルフ場を100%傘下に
㈱アコーディア・ゴルフ(田代祐子社長、以下=アコーディアと略、東京都品川区)は、シンガポール証券取引所において上場するアコーディア・ゴルフ・トラスト(AGT)が有する88ゴルフ場(本紙カウントは89ゴルフ場)の資産の買戻しが完了し、グループでこれらゴルフ場を100%保有となったことを明らかにした。AGTでは9月29日付けで今回の売却が完了したことを公表し、上場廃止となるため受益証券の売買停止を申請したという。
アコーディアはAGTのスポンサー(大株主)でもあったが、同トラストは相対的に低い取引高と純資産価値よりも割安な取引が続いていること、結果として分配金を引き上げることができるようなゴルフ場取得の買収資金が調達できなかったことなどを買戻しの理由として挙げていた。また取得対価は1ユニット当たりでの取引値でもプレミアムを付けた価格で6月29日に618億円と発表後、8月7日に34億円増額し、652億円にすると発表。AGTは昨年11月末にアコーディアから買収提案を受け、大和証券グループが財務アドバイザーに就任したことを明らかにしていた。
アコーディアは2014年8月1日(当時は鎌田隆介社長)に、運営業績が安定していた当時90ゴルフ場(昨年、ヴィレッジ東軽井沢GCを売却して1コース減少)をアセットライトによる資本の効率化を目指して、アコーディア・ゴルフ・アセット合同会社(AGA)に売却し、大和証券グループとともに組成したビジネス・トラストをシンガポールに上場して、これら対価や対象ゴルフ場への既存貸付金の回収金等で約1132億円を受領した。
アコーディアは2016年6月に田代現社長に交代、その後アジア系の投資ファンドのMBKパートナーズグループ傘下(2017年1月にMBKP ResortがTOBによりアコーディアを買収、同年3月アコーディアは上場廃止)となった。同パートナーズグループは2018年11月に39ゴルフ場を保有・運営するオリックス・ゴルフ・マネジメント(2019年3月の統合でネクスト・ゴルフ・マネジメント=略称・NXに商号変更)の買収も発表しており、NX含むANXのグループでは保有173コース、運営176コースと一大勢力となっている。
なお、アコーディアの広報では、今回完全グループ傘下とした88ゴルフ場は以前から運営受託しており、運営面では従来通りとしている。
ちなみにAGAが保有するノーザンCC錦ケ原G場(43ホール、さいたま市)は、国土交通省から荒川第二調整池事業に関連して、一部占用解除(用地返却)の通知を受け、9月20日付けで会員に通知したという。占用解除後の運営形態等については、現在検討中としている。