2021.03.16
2021/3/16 2019年度練習場利用者数、1・4%増と順調な回復
ゴルフ練習場業界の専門紙「月刊ゴルフレインジ」(東京都渋谷区、℡3423・6141)を発行するケージーアール出版と、系列調査機関である㈱ゴルフ経営研究所は、2019年度(19年4月1日~20年3月31日)の「全国ゴルフ練習場の施設数と利用状況」の合同調査結果を、「月刊ゴルフレインジ」2月号(1月25日発行)で発表した。
それによると延べ利用者数は台風があったものの上半期は2~3%増で推移し、その後の消費増税が懸念されたが順調に回復したという。また現在進行中の20年度(20年4月~21年3月)は新型コロナによる「緊急事態宣言」で4月こそ落ち込んだが、それ以降はV字回復しているという。
19年度の延べ利用者数は8762万5千人で、前年度比117万7千人増(前年度110万4千人)、率で1・4%増(1・3%減)と2年振りに増加した。利用者数ピーク時の1991年度1億5329万8千人と比較すると6685万人減、率にして42・8%の減少となっている。
19年度の施設数は3050施設で、前年度比32施設減、率では1・0%減(前年度1・4%減)となっている。新設が45施設(48施設)と前年度より3施設減少し、閉鎖は77施設(92施設)で、上記の通り差し引き32施設(44施設)の減少だった。施設数はピーク時の1992年度の5420施設と比較すると2370施設(閉鎖数は3173施設、新設803施設)減、率では43・7%減となった。これで施設数は1993年度から27年連続の減少となった。
19年度の1施設当たりの利用者数は2万8729人で、前年度比680人増、率では2・4%増加となった。6年連続の増加で、利用者数が増えた上、施設数が減少したため1施設当たりの利用者数増加が続いている。
施設数を都道府県別にみると、東京が8施設増、埼玉が3施設増、千葉など5県が1施設増で計7都県で増加し、増減なしが13府県あった。減少は福岡の5施設減を筆頭に、北海道4施設減、栃木・群馬・静岡・広島3施設減など24道府県でマイナス。増減率では増加が秋田3・7%増、東京3・0%増、奈良2・7%増、埼玉2・0%増の順、減少は佐賀16・7%減、沖縄14・3%減、滋賀6・3%減、愛媛6・1%減などとなった。
延べ利用者数を都道府県別にみると、東京の1278万3千人が最も多く、次が神奈川の686万1千人、僅差で大阪の668万6千人、埼玉の612万4千人と続いた。概ね人口と同等の利用者数となっている感じだ。増減率では増加が青森8・3%増、秋田7・8%増、奈良5・3%増、宮城4・9%増と東北が上位にきている。一方減少は佐賀12・7%減、沖縄10・9%減など施設が減少した県が目だった。
1施設当たりでの利用者数最多は大型施設の多い大阪の6万5546人、2位は東京の4万6484人、3位は奈良の4万6932人、4位は神奈川4万4552人と、2~4位は僅差となっている。
月刊ゴルフレインジの報告によると、近年の閉鎖は土地の効率活用から企業系大型施設の跡地転用が目立っているという。一方で新設はここ数年インドアがほとんど。他にゴルフ場の全面や一部を閉鎖し、練習場化した例が旧・福島石川CCのゴルフトレーニングフィールドPies福島やサニーCCゴルフレンジ(長野)の例があり、今後も増加してくると専門紙はみている。
同専門紙では練習場の施設分布や利用者の分布、閉鎖した施設の一覧などを掲載している。また20年度はコロナ下でもV字回復にあるゴルフ練習場だが、感染拡大が収束しない限り予断は許されないと指摘している。