2021.06.18
2021/6/18 ㈱平和の3月期決算、減収減益も来期予想は増収増益に
パチンコ等の遊技機器メーカーで、ゴルフ事業のパシフィックゴルフマネージメント㈱(PGM、田中耕太郎社長、東京都台東区)を完全子会社としている㈱平和(嶺井勝也社長、同)は5月13日、2021年3月期(2020年4月1日~2021年3月31日)の連結業績を発表した。
同期の売上高は1077億44百万円(前年同期比25・5%減)で、営業利益が53億11百万円(77・4%減)、経常利益が57億99百万円(75・1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益が8億65百万円(94・5%減)となり、減収減益だったが、第3四半期や前回予想発表時は純損失だったため最終損益はプラスに改善した。
同期のセグメント別情報をみると、遊技機事業はパチンコホールの稼働状況が未だコロナ禍以前の水準までは回復しておらず、加えて2020年5月20日施行の法律の一部規則改正により、旧規則機の経過措置期間が1年延長されたことなどで入り替え需要は伸び悩んだという。同期間の売上高は332億92百万円(前年同期比98・4%減)、営業利益は2億87百万円(同46・0%減)となっている。
ゴルフ業界においては、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う影響により、来場者数が第1四半期には大きく落ち込んだものの、春先からの外出自粛による反動需要や天候に恵まれたこともあり、第2四半期以降は回復傾向となった。しかし、顧客単価は、感染リスクが懸念される影響から、コンペの需要が減少しているため、顧客単価全体を押し下げ、売上高は前期比で減少しているという。同期間の売上高は744億52百万円(前年同期比10・2%減)、営業利益は76億24百万円(同17・9%減)となっている。
なお、第1四半期に連結子会社のパシフィックゴルフマネージメント㈱が河川敷で運営する川越グリーンクロス(18ホール、埼玉県)のゴルフ場用地について、国土交通省関東地方整備局の「荒川第二・三調節池事業」の進捗状況等を踏まえ事業を再評価し減少額30億08百万円を、また第3四半期にはシルクCC(同、群馬県)の譲渡に伴い7億20百万円を、それぞれ特別損失に計上したという。
ちなみに2022年3月期連結業績予想は売上高1507億円(前年同期比39・9%増)、営業利益223億円(319・8%増)、経常利益214億円(269・0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益139億円を見込んでいる。2022年3月期は遊技機では旧規則機の入替が促進されることから市場の活性化が期待されるという。ゴルフ事業は新規5ゴルフ場の取得により通年で業績に寄与するものと見込む。来場者数・顧客単価は回復傾向で来場者数は今後も伸びる余地ありとしたが、コンペ需要の低下により顧客単価はコロナ禍前までは戻らない見通しという。保有・運営コース数は新規5ゴルフ場の取得(18H換算5・5コース取得)とポートフォリオの見直し(シルクCC1コース売却、1・5コース運営受託終了)で145カ所(18H換算177・5コース)となっている。