一季出版株式会社

2021.06.30
2021/6/30 コロナ禍で20代はコース4・7%、練習場6・9%

スポーツ庁は先ごろ、令和2年度「スポーツの実施状況等に関する世論調査」の調査結果全容を発表した。同世論調査は、民間委託により令和2年11月6日から11月25日にかけて18~79歳の男女を対象にインターネット調査(人口動態に合わせた比率で回答数2万件)で行った。

週1日以上運動・スポーツする成人の割合は59・9%(元年度53・6%、30年度55・1%)。男女とも全世代で実施率は前年を上回った。週3日以上のスポーツ実施率も30・9%(元年度27・0%、30年度27・8%)と高まっている。また「ゴルフ(コースでのラウンド)」の過去1年間の参加率は全体6・6%(男性11・5%、女性1・8%)で、前年の全体7・1%(男性12・5%、女性1・8%)と比べ、全体で0・5ポイント、男性で1・0Pのダウン、女性は前年と同じであった。
今回、性・年代別の結果が明らかになったので見ていくと「ゴルフ(コースでのラウンド)」の参加率が高いのがやはり70代で9・7%と10%を割ったもののスポーツ庁に世論調査が移って以来、平成28年度から5年連続でのトップとなった。前年との比較では0・7Pのダウンで2年連続のダウンであった。60代は8・6%で次位だが前年より0・7Pダウンしたことでまだ70代を上回れていない。

前年からの伸び率でみると、増加は18~19歳の1・2P、20代の1・1Pのみで、50代が1・1P減の6・8%、40代が0・8P減の5・3%、30代が0・5P減の5・1%だった。
初めて〟ないし〝久々(5年以上未実施)〟にゴルフをしたのは全体で1・4%となり、前年より0・6P減少した。コロナ禍で増加したのは若者や女性と言われてきたが今回の調査では確かに、初めて参加の比率が増加したのは20代の男女や18~19歳の男性だが、ゴルフ場の入場者数がコロナ禍でプラスまで回復したわけではないことから目立った数値とはならなかった。

また、コロナ下で〝特需〟と言われたゴルフ(練習場・シミュレーションゴルフ)は、入場者数がプラス圏に回復したほどの好調さを反映したものではなかったが、やはり若者世代の伸びが目立った。その練習場の世代別参加率は70代が7・2%(0・5P減)で、次に20代が6・9%(1・6P増)、60代6・5%(1・0P減)、50代5・4P(0・9P減)などで18~19歳は2・2Pと少ないが前年比では0・8P増と大きく伸びた。
20代は男女とも伸び、男性はブームの基準とも呼べる10%を超える10・3%(2・7P増)を記録、女性も3・2%(0・4P増)で世代間トップだった。

テレビ・インターネットによる「ゴルフ」観戦は、今回は17・7%で、前年の〝しぶこフィーバー〟に象徴される女子プロの活躍で伸びた23・0%を5・3Pも下回った。試合数が少なかっただけに納得できるが、練習場で参加率の高い20代もテレビ等での視聴は増えていないということだ。コロナ下で〝特需〟と言われたゴルフ練習場は、実はゴルフ好きが高まって活況を示した訳ではない。コロナ下で抑圧されていた欲求が若い世代で爆発的に増える、いわゆるリベンジ消費に近い可能性がある。

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※「ゴルフ特信」第6660号より一部抜粋

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