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2021.11.27
2021/11/27 ゴルフ場の上半期決算、関東は軒並み改善か

新型コロナウイルス感染症により昨年は特に4~5月に首都圏中心に多大な影響を受けたこともあり、ゴルフ場の対前年比営業実績は大きく回復している。そこで今年上半期の決算報告を提出したトーナメント開催実績もあるゴルフ場で確認すると、都心に近いゴルフ場ほど改善度合いも高くなったようだ。
まずは、株主会員制の相模原GC(36ホール、神奈川県相模原市南区)を経営する㈱相模原ゴルフクラブ(鳴澤隆代表取締役社長)から。同社は9月24日に第69期中間会計期間(1月~6月)の決算を関東財務局に提出している。

経営成績の状況についての説明は、2021年上半期の国内経済は、依然として新型コロナウイルス感染症のパンデミック下にあり、回復は業種によってばらつきがある。インバウンドは全く戻っていない為、旅行・ホテル等サービス業界全般に厳しさが増していると報告。その中でゴルフ業界は、健康的な戸外スポーツとしての良さが再認識され、海外旅行(出張)や三密イベントを回避する客層がゴルフ場に足を向ける契機となり、さらに男女ともに日本人プロ選手活躍の明るいニュースが需要を活気づけているとした。但し、来場者数は回復したが、法人需要が激減、接待や大型のコンペ、パーティーが自粛されている為、ゲスト来場数が少なく、コロナ前の水準には回復していないという。同クラブでの同中間会計期間の来場者総数は2万8701名で前中間会計期間比9539名(49・8%)増加。その結果、売上高は6億45百万円と前中間会計期間比2億34百万円(56・9%)増となった。営業外収益は名義書換料が増加して、2億13百万円と前中間会計期間比27百万円(14・5%)増となった。前年同期の営業外収益は名義書換料が増加して、49・1%増加しており、名変料等の見直し効果が続いている。一方、売上原価及び一般管理費は7億62百万円と前中間会計期間比66百万円(9・5%)増、経常利益は97百万円(前中間会計期間は経常損失99百万円)、中間純利益は86百万円(前中間会計期間は中間純損失97百万円)と大幅に改善している。
ちなみに同GC東コースでは5月に男子ツアーのダイヤモンドカップを開催した。

次に男子ツアーの「日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ Shishido Hills」を開く宍戸ヒルズCC(36ホール、茨城県笠間市)と、今年9月に日本女子プロコニカミノルタ杯を開催した静ヒルズCC(18ホール、茨城県常陸大宮市)を経営する㈱宍戸国際ゴルフ倶楽部(多田野敬代表取締役社長)の第51期半期報告書(1~6月)を見てみる。
経営成績の状況については、同中間会計期間におけるゴルフ場業界は、前事業年度に引き続き新型コロナウイルス感染症の感染拡大が直撃し、政府による緊急事態宣言またはまん延防止等重点措置が継続して発出され、先行き不透明な状況で推移したと報告。このような状況のもと、同社は企業主催のコンペやプレー後のパーティーが前事業年度に引き続き大きく減少したが、来場者の方に安心・安全にプレーしていただけるよう細部にわたる感染予防対策を行い、また6月には宍戸ヒルズCC西コースにて、本年度男子ゴルフツアー初の有観客での開催(1日1000人限定)となる「日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ Shishido Hills」を行うなど運営力の強化に努めたという。
この結果、当中間会計期間における業績は、来場者は宍戸ヒルズCC3万8572名(前年同期比147・1%=47・1%増)、静ヒルズCC2万3472名(130・0%)となり、売上高は9億9706・5万円(145・3%)となったという。売上原価及び一般管理費は、9億6947万円(110・5%)で、この結果、経常利益は3842・4万円(前年同期は経常損失1億8076・8万円)、これに税金費用等を加え、中間純利益は2164・5万円(前年同期は中間純損失1億8605・6万円)となったという。営業項目での改善具合が高かったのは会員登録料収入177・5%、レストラン売上160・8%で、グリーンフィ収入は153・2%だった。キャディフィ収入は132・5%だったが、収入額は1億9534・1万円で項目別では最も多かった。

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※「ゴルフ特信」第6720号より一部抜粋

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