一季出版株式会社

2022.01.19
2022/1/19 ゴルフ場法的整理減も大型M&A成立、SDGs等話題

今年のゴルフ場M&Aで衝撃的だったのは国内保有ランクトップのアコーディア・ネクストの譲渡先がソフトバンクグループ傘下のフォートレスグループ決まったことだろう。MBKパートナーズはANX売却で4倍以上の利益かとも言われた。
ゴルフ場法的整理数は2件と少ない中、買収ファンドがどこまでゴルフ場数を拡大していくのか注目されている。西武HDはアセットライトで一部ホテル・ゴルフ場売却方針で組織再編。
ゴルフ業界が好調なだけに各種調査も注目しだした。Tポイントジャパンは第3回『ゴルフに関するアンケート調査』を実施、JCB消費NOWはゴルフ場の都道府県をまたいだ消費分析も可能にして提供を始めた。
そして事業再構築補助金の第3回採択発表ではゴルフ関連88件のうち6割がインドアで、ゴルフ場運営関連が10件あるなど他産業からも注目を集めている。

全国営業中ゴルフ場数は2144コースで昨年同期比9コース減。物流基地になるのではないかとの噂がある昭和の森GコースとG練習場の2022年内外で閉鎖も注目を浴びた。デイスターGCは21年12月30日をもって営業終了となるが大林組はゴルフ場撤退により売却するが、誰が購入するかは公表されておらず、プライベート利用になるとの観測だ。
2月に福島県沖地震で震度6強の余震があり、南海トラフ等への警戒感が高いが、ゴルフ業界も地球環境問題への関心は高い。ヤンマーグループの琵琶湖CCはゴルフ場として初のカーボンニュートラル達成へ取り組み、松山シーサイドCCのSDGs宣言、ロペ倶楽部の里山の集い、配膳ロボットの実証実験、PGMグループの全ゴルフ場でセルフレジ導入、東急リゾーツ&ステイが「Caddy Fit」の稼働開始など環境保全と働き方改革でのイノベーションも進んでいる。鳳凰GC「ほうおうバナナ」を栽培し販売、太田双葉CCや太平洋C白河Rが釣り場営業など複合化しているゴルフ場も増えてきている。環境省はゴルフ場も生物多様性の自然共生エリア認定を検討しており、ゴルフ場のイメージも好転するかも知れない。
コロナ禍でのゴルフ人気は世界的潮流で、韓国では利用者数が急増、テーラーメイドが韓国系のPEファンドに買収されている。

星野リゾートではインバウンドの回復には時間がかかる予測であり、宿泊・リゾートの経営は当面難しい。ただ「JCB消費NOW」域際収支では東京都住民のゴルフ場消費は都内と近隣県のゴルフ場で増えており、宿泊も同様の動きという。
R&Aはゴルフと健康をテーマにアンケートしており、健康への関心のニーズを取り込みたいところだ。

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※「ゴルフ特信」第6745号より一部抜粋

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