一季出版株式会社

2022.03.03
2022/3/3 21年動態統計、ゴルフ場・練習場とも記録的な一年に

経済産業省は先ごろ、「特定サービス産業動態統計」の2021年12月分と21年年間の速報を発表した。
それによると、12月速報分を含む2021年1年間(対象は経済産業局所在の8都道府県のゴルフ場)のゴルフ場利用者数は1002万8048人で経産省発表の調整済み増加率は10・4%の大幅増加となり、2年振りの増加となった。売上高は923億58百万円で、同じく増加率は14・1%の大幅増加となり、2年振りの増加となった。動態統計のゴルフ場データは21世紀に入って増減が確認できるが、20年に利用者数、売上高とも過去最大の落込みを記録したものの、21年は一転して21世紀最大の増加を示した。
年間データでは利用者数の内訳は、平日が会員7・2%増、非会員13・2%増、土・日祝日が会員6・8%増、非会員10・1%増。利用者数トータルでは会員が7・0%増、非会員は12・1%の増加となり、会員は連続して増加するとともに、20年に大きく落ち込んだ非会員が平日におおむね回復した。

売上高の内訳では利用料金収入が15・5%の増加(平日17・4%増、土・日祝日13・6%増)、キャディフィが10・3%増、食堂・売店(直営)が11・4%増となった。客単価は9210円で前年比2・7%上昇し、19年の9871円にはまだ及ばないものの少し回復した。
12月の速報ではゴルフ場の利用者数は71万6220人で前年同月比2・9%の増加、売上高は73億13百万円で前年同月比4・8%の増加となった。平均営業日数は0・9%増の21・0日だった。利用者数は平日が会員1・7%増、非会員5・6%増、土・日祝日は会員2・1%減、非会員0・9%増だった。利用料金収入は平日6・8%増、土・日祝日2・7%増だった。

2021年は前年に引き続き、新型コロナウイルスに翻弄されたが、20年夏ごろからゴルフが3密を避けられる屋外スポーツとして注目されたことで回復が続いた。特に前年に緊急事態宣言が発令され過去最大の落ち込みとなった4月と5月は前年の反動で大きく回復、夏以降は反動増が落ち着く時期もあったが、2桁の増加で年間の好調さを維持した。コロナ前の2019年とリンク係数も駆使して計算すると売上高こそコンペの減少やスループレーの増加などで2・4%減となっているものの、利用者数は5・9%増とコロナ禍前を大きく上回っている。動態統計の調査対象である大都市や地方中核都市の地域では21世紀で、いま最も賑わっている状態にあることを示した。
一方、ゴルフ練習場の年間利用者数は2494万8425人(対前年比11・1%増)で売上高は367億90百万円(12・9%増)。利用者数は19年のしぶ子フィーバーから3年続けての増加であり、石川遼選手の活躍で沸いた2008~9年を上回り、21世紀で初めて2400万人台を記録した。ここ10年ほどで大型施設も少なくなったことから、賑わいぶりは確実に当時を上回っている。

ただし、12月はその特需状態の練習場に変化が訪れた。売上高は0・3%減とわずかながら20年9月の0・2%減以来15カ月振り、利用者数も0・9%減で同年6月の3・3%減以来18カ月振りのマイナスとなった。12月当時は国内のコロナ感染者数が極端に少なくなったことから、抑制されていた活動も活発になり、あれほど低迷していたボウリング場が20・1%増と回復、遊園地・テーマパークに至っては69・5%増と態勢が逆転した。
コロナ前の19年12月比でまだ30%前後も増えていることから大騒ぎするほどではないが、今後ポストコロナを迎える際には、こうした動きも注視しておく必要がありそうだ。

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※「ゴルフ特信」第6761号より一部抜粋

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