2022.03.13
2022/3/13 21年判明のゴルフ場経営交代、23コースとやや少なく
21年に経営交代が判明した国内ゴルフ場は、計23コース(注・交代判明時のデータも含む)となった。
前年の20年は27コースで4コースの減少。近年は19年59コース、18年32コース、17年169コース、16年35コースと隔年で多い年があったが、今回は2年続けての減少となった。コロナ禍で動きづらい面も影響したのかも知れない。
ただ22年1月31日にアコーディア・ネクストゴルフ(ANX)グループがソフトバンクグループ傘下の米ファンド・フォートレス・インベストメント・グループとなり、また西武HDがシンガポール政府系投資ファンドのGICに売却する基本協定書を締結したと発表(売却31施設中ゴルフ場は10コース)したことで、17年同様の経営交代数になることが有力となった。
経営交代の方法としては、ほとんどがゴルフ場事業会社の株式売買か、ゴルフ場事業の新設分割会社の株式売買による「株式の移動」によるもの。経営交代理由では、法的整理は亀山湖CC(千葉)と池田CC(大阪)の2件でその他の任意売買が主だった。ただ過去に経営交代を経験したコースが半数以上あった。また旧経営母体に上場企業系も多く、大手企業系の資産整理の動きが続いている。
ゴルフ場の新母体で見ると、PGM、ユニマット、太平洋クラブ、リソルなどゴルフ場運営で上位を形成するグループの他に、近年ゴルフ場を増やしている㈱バンリューゴルフ、川島グループ、ロックフィールドゴルフリゾート㈱、三甲㈱のサンコーグループ、明輝建設グループも目につく。
その㈱明輝建設グループが20年12月にチェリーゴルフグループの金沢GCとチェリーGC金沢東C(ともに石川)のゴルフ場事業会社株式を取得して売買が成立。ゴルフ場名の変更などは21年に入ってからの公表となった。
㈱バンリューゴルフは6月1日に姫路相生CC(兵庫)と広島紅葉CC(広島)を取得、22年のカウントになるが今年2月1日にぜんCC(兵庫)も取得している。
一方、チェリーゴルフグループは上記のように21年で3コースを売却し、資産整理が続いた。
平和傘下のPGMは21年にシルクCC(群馬)を売却した一方、大林組からオールドオーチャードGC(茨城)を取得し、10月から運営を開始した。また大林組系のデイスターGC(千葉)は12月30日をもって営業を終了したが、今年1月に「むつざわゴルフパーク㈱」という法人の新規登録がされており、今後が注目される。
パブリックの昭和の森Gコース(東京)は、不動産売却により22~23年にもゴルフ場の営業が終了する見込みだ。
ミヤヒル36GC(宮城)は経営会社が事業停止状態となり、所有権会社が運営を委託して、たいわGCとして営業再開している。本号で別途紹介したサンレイクCC(栃木)も資産保有と運営引受けが別資本で、こうした提携での経営交代も増えつつある。
外資系では、阿蘇やまなみリゾートホテル&ゴルフ倶楽部(熊本)を経営する韓国系の日本法人・㈱T&GネットワークスジャパンがチェリーGC吉和の森C(広島)を取得、2年前に取得したフォーティーンズヒルズCC(岐阜)と合わせグループ3コース目となっている。
21年の県別では茨城3コースが最多で、千葉、東京、石川、滋賀、兵庫、広島2コース、宮城、福島、栃木、群馬、長野、静岡、大阪、岡山1コースの15都県に及んだ。
なお、㈱ブルーキャピタルマネジメントは、昨年1月17日にランドマークGCを取得して「Blue Resort ランドマークゴルフ倶楽部」(18ホール、岡山県真庭市)に名称変更していたので、21年の名称変更コース数を20コースに修正します。
ちなみに、プラスチックパレット・コンテナなどの物流資材の三甲㈱(後藤甲平会長、後藤利彦代表取締役社長、東京都港区、岐阜本社=岐阜県瑞穂市)は21年11月に八甲㈱を吸収合併しており、ゴルフ場事業は三甲GCを冠に榊原温泉C(三重)、京和C(愛知)、谷汲C(岐阜)、ジャパンC(兵庫)を経営する三甲㈱と、21年に加わった富士国際GCの東日本開発で行っている。