2022.06.28
2022/6/28 南富士カントリークラブ(静岡)のメガソーラー化を富士市が阻止へ
南富士カントリークラブ(18ホール、静岡県富士市、経営=㈱南富士カントリークラブ、臼杵一裕代表取締役)は、地元の静岡新聞で再三に渡り、ゴルフ場用地の一部を富士市が取得する方向で予算組みがされるなど、ゴルフ場が閉鎖される報道があったことで、同CCのホームページ上で会員への〝お知らせ〟を掲載するなどの事態となっている。
同CCを巡っては、5月19日に静岡新聞で一般・産業廃棄物最終処分場を運営する第三セクター・富士環境保全公社(社長・鈴木尚前富士市長)が取締役会を開き、受け入れの限度を迎える現在の処分場に代わる第3期最終処分場の候補地として、同市大淵のゴルフ場を取得することを承認し、6月の株主総会を経て正式に事業化することが伝えられた。関係者の話として、ゴルフ場側との用地交渉は最終段階にあると報じられた。
翌20日に静岡新聞は、富士市が同ゴルフ場の3分の2程度を取得し、民間活力を生かした野外活動の場などを整備する方針を固めたと報じた。近年、全国で相次ぐゴルフ場跡地の大規模太陽光発電所(メガソーラー)転用などを防ぐため、市が取得を決断したという。すでに、土地譲渡で合意した旨伝えており、第3期最終処分場を整備する方針の富士環境保全公社が南東側の約15ヘクタール(本紙注=南富士CCの南東側でアウトコースの一部)、市が残りの約38ヘクタール(注=インコースの全部とアウトの上がり数ホール分)を取得する計画で、公社は28年中に3期処分場の運用開始を目指すとして、ゴルフ場は2024年中の営業終了が予想された。
市では取得用地の利活用について「富士山麓の環境保全と共生ビジョン」を策定し、処分場候補地に隣接する約16ヘクタールを「自然の復元ゾーン」としてブナなどを植林する。また北側約22ヘクタールは「自然との共生ゾーン」として民間運営を念頭に、クラブハウスなどの既存建築物や自然環境を活用した野外活動の場などの整備を検討する。市では数年前から同ゴルフ場用地を想定したメガソーラーへの転用などの相談を受け、富士山麓に位置する環境や景観保全を目的に取得を決めたなどと伝えた。
5月31日には、富士市が南富士CCの約38ヘクタールを3億1500万円で取得する方針を市議会産業教育委員会協議会で説明したことを6月1日に静岡新聞が伝えた。
取得する用地は、ゴルフ場面積約54・5ヘクタールの4分の3に相当し、ゴルフ場は2024年途中まで営業し、同年9月までに土地が市に譲渡される予定も示されたという。
市環境保全課では本紙の取材に対して、「2年前位に南富士CCの用地でメガソーラーを整備する複数の打診があった。富士山麓でメガソーラーが設置されると、景観上も良くないので、買取りを決めた。あとはゴルフ場側と話を詰めていく」と説明している。
南富士CCは5月21日付けで、静岡新聞でゴルフ場売却の報道が続いているが、ゴルフ場側には報道以上の情報はなく、会員向けに「また預託金の償還は、常時受付お振込みしておりますので併せてお知らせいたします」と総支配人名で掲載している。