2022.10.06
2022/10/6 月に1回以上のコースプレーで高齢者の死亡リスク低下
CGAの会報でも紹介された米国脳卒中学会の科学会議で、アメリカン・ハート・アソシエーション(AHA)の研究者が発表した内容が気になるところ。
AHAのHPでその発表内容を確認すると、2020年2月の米国脳卒中協会の国際脳卒中会議で新しい予備研究として、定期的(少なくとも月に1回)にゴルフをする高齢者は死亡リスクが低下するとの発表があったもの。
その内容は65歳以上の平均年齢72歳の約5900人の参加者のうち、384人のゴルファー (41・9%が男性、月1回以上プレー)を特定し、10年にわたる追跡調査中に、ゴルファーの8・1%が脳卒中を起こし、9・8%が心臓発作を起こした。死亡率を比較すると、非ゴルファーはそれぞれ15・1%、24・6%で、ゴルファーの方が死亡率が低かったという。
また、ゴルフは競争する興奮があり、汚染の少ない環境で行うこと、社会的交流なども健康にプラス。さらに激しい運動と比べて高齢者になっても続けられること、その他、ストレス解消とリラクゼーションもあり、他のスポーツより適しているなどとする意見も紹介している。その調査でゴルファーがカートに乗ったか、乗らなかったかは特定しなかったという。
ゴルフはアメリカで約2500万人がプレーするスポーツで、AHAが週に少なくとも150分間の中程度の強度の運動を行うことを推奨しているところ、ゴルフは中程度の強度の運動と見なされるとの見方も報告している。またゴルフをしていると、心拍数と血流が増加し、脳への刺激が高まり、バランスが改善され、社交的になる。例えカートに乗って9ホールしかない短いコースをプレーしていても、身体的には活発であり、どんな動きも何もないよりはましであることがわかっているなどと研究者の意見も紹介している。イギリスのスポーツ医学ジャーナルに掲載された研究のレビューではいくつかのスポーツ及びゴルフ組織から、ゴルフの健康及び社会的利点に注目した国際的なコンセンサス声明も発表されているという。
同報告の最後には、プレーする前にストレッチやウォームアップをし、曇りの日でも必ず日焼け止めを着用すること、こまめに水分補給をし、熱中症にならないようにしましょうと、注意を呼びかけている。
ちなみにCGAやKGAでは実施されていないが、九州や関西の連盟では男性80歳以上等のカテゴリーでスーパーゴルフカップの競技が開かれており、高齢の競技人口も増えているそうだ。