2022.11.28
2022/11/28 令和3年度ゴルフ場排出水質調査、水産指針値は18件超過
環境省はゴルフ場で使用される農薬について、令和3年度に地方自治体等が実施したゴルフ場排出水等の水質調査の結果を取りまとめ、先ごろ公表した。
今回は1605カ所のゴルフ場(47都道府県)を対象に延べ3万6315検体、排水口調査検体数9573検体を調査した結果を集計した。ゴルフ場排出水の農薬濃度の指針値のうち、水濁指針値を超過した事例はなく平成15年以降ゼロが続いたが、水産指針値を超過した事例が18検体(前年は6検体、農薬別では留意すべき農薬のうちピロキサスルホン13件、ダイアジノン各1体=他に超過不明検体数22体、その他指針値超過検体としてオキシン銅又は有機銅、カフェンストロール、クロチアニジン、フェノキサスルホン各1件)あったという。
この結果を受け、環境省では「排水口調査の結果、水産指針値を超過した事例が見られたこと、また、前年度調査より減少したものの指針値超過の有無が不明な事例が見られたことから、ゴルフ場関係者に対し、農薬の使用に関する注意喚起を改めて実施するとともに、定量下限値に留意して分析を行うよう、都道府県に求めることとします」と発表した。
同省では平成2年5月に、ゴルフ場の排出水の農薬濃度に係る上限としての水濁指針値を定め、「ゴルフ場で使用される農薬による水質汚濁の防止に係る暫定指導指針」を策定。平成29年3月に、水濁指針値に加え、生態系保全の観点から水産動植物被害の防止のための水産指針値を新たに定めた。その後、平成30年の農薬取締法改正に係る施行内容を踏まえ、令和2年3月に「ゴルフ場で使用される農薬による水質汚濁の防止及び水域の生活環境動植物の被害防止に係る指導指針」を策定した。
そして業務効率化の観点から、令和3年度調査からは報告を簡素化し、過去に継続して指針値の超過がみられた農薬及びゴルフ場における使用量が多い農薬等の留意すべき農薬や指針値超過がみられた農薬について報告を求めることに変更した。