2022.12.27
2022/12/27 全国の2021年労災調査、死亡事故〝ゼロ〟となる
日本ゴルフ場支配人会連合会(八木秀夫会長、東京都台東区)は、2021年(1月1日~12月31日)に東日本及び西日本支配人会加盟クラブ(西日本は一部非加盟クラブ含む)で発生した労働災害の実態を調査し、先ごろ調査結果をまとめた。
同調査は、東日本及び西日本の支配人会が静岡県を除く全国46都道府県の協力ゴルフ場における、労働災害の程度別、職種別、原因別の件数を毎年まとめている。2021年の調査結果で特筆すべきは、重大事故のうち死亡事故がゼロ件(前年比=東日本2件減、西日本3件減)となったこと。死亡事故ゼロは、少なくとも1992(平成4)年まで遡ってもない。近年では2012年の1件が最小となっており、以後13年4件、14年3件、15年4件、16件3件、17年5件、18年3件と増減を繰り返し、19年には最多となる7件にまでのぼった。20年は5件で前年より2件減り、そして21年にゼロとなった。
ところで、2021年の労災件数をみると、調査に協力した1682クラブ(前年比18クラブ減、1・06%減)で962件にのぼった。労災件数は、18年1103件、19年1015件と1000件超えが2年続き、20年に871件と大きく改善したが、21年は前年に比べ91件、10・45%増と再び件数が増加している。東西に分けると、東日本(833クラブ=前年比12クラブ減)が466件で前年比60件増、14・78%増、西日本(849クラブ=同6クラブ減)が496件で前年比31件増、6・67%増となっており、東西ともに増加している。
1クラブ当たりの災害件数は0・57件で、前年に比べ0・06件の増加となっている。東西別では、東日本0・56件(前年比0・08件増)、西日本0・58件(同0・04件増)となっている。
労災の内容については、重大事故は「死亡」が先の通りゼロ件(前年5件)、「永久労働不能(障害等級1~3級)」がゼロ件(前年同)、「永久一部労働不能(同4~14級)」が2件(前年ゼロ件)だった。
職種別件数では、「キャディ」が452件(前年比42件増)と最も多く、以下、「コース管理」284件(21件増)、「その他各部署」186件(29件増)の順で、いずれも増えた。西日本で集計している「レストラン」は41件で前年と変わらなかった。
原因別件数では、滑り・ふみ外し・転倒転落等に起因する「行動」が606件(34件増)と多く、次いでカート・コース管理機械車輌等に起因する「機械」123件(11件増)、「その他」138件(19件増)、「打球」67件(46件増)と続いた。西日本のみ集計の「通勤」は29件で、前年より7件増えている。
労災状況を都道府県別でみると、「前年より増加」したのが24都道府県(=東10都道県、西14府県、前年は計11県)、「前年と変わらず」が5県(=東3県、西2県、前年は計6都県)、「前年より減少」が17県(=東4県、西13県、前年は計29道府県)となった。21年は前年に比べて増加にシフトしており、中でも千葉県は2年振りの100件超となる108件発生している。前年対比では東日本が千葉県(31件増)、西日本が京都府(15件増)の増加が目立った。その一方で、労災ゼロ件は岩手、山形、鳥取、島根、徳島5県となり、岩手県は2年連続ゼロ件を更新している。
なお、西日本支配人会連合会では15年から、総従業員のうち業務委託及び派遣の労働者について「労災適応非従業員」(6021人)として労災実態がわかるようにまとめている。21年の労災適応非従業員の労災件数は14件(9件)だった。重大事故は「死亡」がゼロ件(ゼロ件)、「永久労働不能」がゼロ件(ゼロ件)、「永久一部労働不能」がゼロ件(ゼロ件)。職種別では「コース管理」が9件(5件)、「キャディ」が1件(4件)、「レストラン」が1件(ゼロ件)、「その他各部署」が3件(ゼロ件)。原因別では「行動」が10件(7件)、「機械」がゼロ件(1件)、「打球」が1件(1件)、「その他各部署」が1件(ゼロ件)、「通勤」が2件(ゼロ件)。職種別は「コース管理」と「レストラン」、原因別は「行動」と「通勤」が前年よりも件数が増えている。