2023.02.25
2023/2/25 ゴルフ業界はゴルフ人気を効果的に波及させ活性化
2023年はどういう1年を迎えるだろうか。
22年はコロナ禍に加え、ロシアのウクライナ侵攻が続き世界を揺るがした。中国、北朝鮮に不穏な動きがあり、岸田文雄首相は年末になって防衛費の増額を指示、日銀が20日に決めた長期金利の許容変動幅を0・5%に見直したことで急激な円安が少し戻るなど先行き不透明な状況が続いている。
ゴルフ界を振り返ってみると、コロナ禍で人気が復活したことを裏付けるように、ゴルフ場の入場者数が好調で、22年度はこのままのペースで行けば2009(平成21)年度を上回ることが濃厚だ。8(20)年のリーマンショック、11(23)年の東日本大震災を経て、その後ゴルフ場は徐々に入場者数は盛り返したが、先行きがまったく予想できない事態に陥ったのが20(令和2)年のコロナ禍だった。
その反動はご承知のように、三密が避けられ、身近な数少ない屋外活動としてゴルフ練習場が脚光を浴び、次にゴルフ場やキャンプ、登山などの移動を含むスポーツ、屋外活動に広がった。欧米や韓国ではゴルフ人気が凄まじく、日本でもゴルフが脚光を浴びたのは不思議ではなかったが、20年以上の停滞を取り戻す勢いを予想できた人は少なかったに違いない。
若者や女性にもゴルフが脚光を浴び、リタイヤしていたシニア層や団塊ジュニア世代も健康志向でゴルフ場に足を運ぶようになった。
コロナ禍中、活動が停滞していたゴルフ団体も日本ゴルフ協会(JGA)などが、ゴルフ振興に本格的に取り組み始めた。ゴルフにそれだけの魅力があったからこそ需要を呼び込んだことは確かだが、コロナ対策の変化で経済、社会活動が戻りつつある今、ゴルフ需要が何故高まったのか、そしてどのようにして高めたらいいかの最適解を探し出し、今後のゴルフ振興活動に活かしたいところ。
内閣府の令和5年度経済見通しによると、実質国内総生産は1・5%成長(名目2・1%成長)見込みで、4年度の1・7%成長(名目1・8%成長)見込みを下回る。世界的なエネルギー・食料価格の高騰や欧米各国の金融引締め等による世界的な景気後退懸念から強気になれないのだ。
しかも防衛費の拡大など益々膨らむ国家予算で増税もちらついており、中小企業にとっての賃上げしつつ求人難を解消する時短や働き方改革はハードルが高くなるばかりだ。
政府の基本方針では、社会の課題解決を成長のエンジンに転換させる考えで、官民連携によるリスキリングなど人への投資やスタートアップ、グリーントランスフォーメーション(GX)、デジタルトランスフォーメーション(DX)などの成長分野への投資を促している。
ゴルフ場がSDGs、細かく見れば二酸化炭素吸収等の環境貢献や、地域産業やスポーツクラブ・学校との連携による地域創生、地域振興、企業の健康経営面も寄与することから、社会課題解決の一役を担える可能性も高まりそうだ。ゴルフ場がCO2を吸収するカーボンクレジット化の研究も進んでおり、ゴルフ場を保有することでカーボンオフセット化を目指す動きが増えることも考えられる。