2023.05.15
2023/5/15 22年判明のゴルフ場経営交代、193コースに
22年に経営交代が判明した国内ゴルフ場は、計193コース(注・交代判明時のデータも含む)となった。これは22年1月31日にアコーディア・ネクストゴルフグループ(当時169コース)がソフトバンクグループ傘下の米ファンド・フォートレス・インベストメント・グループとなった要因が大きい。21年の23コースに比べ、22年は170コース、739・1%の大幅増加でほぼアコーディア分が例年より多くなった印象。経営交代ゴルフ場の増加数、増加率とも過去最大となった。
また、シンガポール政府系投資ファンドのGICに売却する基本協定書を締結した西武HDが売却協定31施設(うちゴルフ場は10コース)のうち22年内に6コース(内会員制は北海道CC大沼コース、岩手沼宮内CCの2コース)を売却し、運営受託しており、コロナ禍で経営交代の案件数は少なかったものの、アコーディアの売却で推定4000億円が動いたと言われたことから、ゴルフ場売買で動いた金額はバブル崩壊以降、おそらく最多になったとみられる。フォートレス・インベストメント・グループもソフトバンクグループ傘下とは言え、米ファンドという意味では外資系だ。
経営交代の方法としては、ほとんどがゴルフ場事業会社の株式売買か、ゴルフ場事業の新設分割会社の株式売買による「株式の移動」によるものだが、西武HDは固定資産の信託受益権を譲渡して行っている。
ゴルフ場の新母体で見ると、アコーディア・ゴルフの親会社となったソフトバンク傘下フォートレスが169コースで最大、次に西武HDから12月に6コースを取得したシンガポール政府系投資ファンドのGIC、以下、バンリューゴルフとノザワワールドが各2コース、PGM、アコーディアなどが各1コースで、韓国系とみられる新母体も増えつつある。最近、売買が成立したゴルフ場は以前に比べて売買額が数倍に跳ね上がっていると売買市場では言われており、ゴルフ場売買案件が少ないだけに、より韓国系の売買意欲が上がっているそうだ。
アコーディア以外で売買が成立した24コースのゴルフ場所在別では、北海道が6カ所で最多、次に広島3カ所、岩手、茨城、兵庫各2カ所などとなった。
ゴルフ場保有数上位のアコーディア、PGM、西武、東急不動産のゴルフ場が動いたことから、保有数のランキングにも変動が生じている。22年12月末現在、グループゴルフ場保有数ランキング(コース数基準)はアコーディア170コース、PGM146コース、3位は市川ゴルフ興業グループ30コースで、25コースの東急不動産が4位、23コースの西武が5位となるが、23年3月末までに上位ランクで異動予定があり、また数や順位も変わる予定だ。