一季出版株式会社

2023.05.31
2023/5/30 景気ウォッチャー5年2月、経費圧迫要因がDIに影響

内閣府は『景気ウォッチャー調査』の令和5年2月調査の結果を3月8日に公表した。
北海道から沖縄までの全12地域で『現状判断』に回答したゴルフ場関係者は6地域(1月6地域)計9人(9人)で、最高評価の〝良くなっている〟は1人(1人)、〝やや良くなっている〟は1人(1人)、〝変わらない〟は4人(1人)、〝やや悪くなっている〟は2人(4人)、〝悪くなっている〟は1人(2人)となり、変わらないとする判断が多かった。現状判断DIを独自に算出すると、令和5年2月は47・2となり、前月の36・1に比べ11・1ポイント(以下、P)上昇した。

2月は、大寒波に襲われた1月に比べ入場者状況が順調のようで、東海地域(支配人)は来客数の動きで「雪によるクローズもなく良い数字が残せる見込み」として〝やや良くなっている〟と判断、また九州地域(従業員)では「入場者が前年を上回る傾向が続いており、更に韓国からの来場者も加わっている」ことから全ウォッチャーで唯一の〝良くなっている〟との判断だった。新型コロナウイルスの脅威が和らぎ、各ウォッチャーの説明にコロナの文字がほぼ見られなくなった。しかしその一方で、物価上昇、光熱費上昇、人件費増加が目立っている。こうしたコストの増大によって、せっかくの入場者順調も相殺されている現状が浮き彫りとなっている。

一方、『先行き判断』は6地域(1月6地域)計11人(11人)が回答。〝良くなる〟は1人(1人)、〝やや良くなる〟は1人(3人)、〝変わらない〟は4人(2人)、〝やや悪くなる〟は1人(5人)、〝悪くなる〟は4人(2人)。〝悪くなる〟との判断が多くなったことから、先行きDIは36・4となり、前月の39・6に比べ3・2P下落している。
先行きについては、ゴルフシーズンを間近に控え、東海から西の地域はプレー予約が前年並みか増加で推移と好調な模様。北関東地域(従業員)や南関東地域(経営者)、九州地域(営業)の各ウォッチャーは、ポストコロナによってゴルフ以外の娯楽、レジャーに客が流れていくのではと懸念し、北関東地域では〝変わらない〟、南関東地域では〝やや悪くなる〟との先行き判断。九州地域は、客が流れているが「それでも問合せや企業のコンペの予約が多くなっており、景気は上向きになる」として先行き判断を〝良くなる〟としている。

しかし、ゴルフ場運営を圧迫するコスト増加の解消の糸口が見えず、中国地域(営業担当)ではプレー予約好調でお客の動きがよいにもかかわらず、経費が営業利益を圧迫している厳しい状況として〝変わらない〟と先行きを判断している。「値上げを検討しているが、客の反応が不安である」とも吐露している。

なお、業種全般の令和5年2月DI(原数値)は現状が51・0で前月比4・5P上昇、先行きが52・0で同2・9P上昇と、現状、先行きとも標準DIの50を超えている。

関連記事:2023/4/12 景気ウォッチャー5年1月、現行、先行きともDI下落

「ゴルフ特信」第6914号より一部抜粋

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