2023.06.14
2023/6/14 西武HD、嬬恋高原ゴルフ場(群馬)他施設の譲渡中止
㈱西武ホールディングス(後藤高志代表取締役社長、東京都豊島区)は、3月23日開催の取締役会で、今年度までに予定していた一部施設の譲渡中止や業績予想の修正を決議し公表した。
譲渡中止は、サンシャインプリンスホテル(東京都)、志賀高原プリンスホテル(長野県)、志賀高原焼額山スキー場(同)、嬬恋プリンスホテル(群馬県)、嬬恋高原ゴルフ場(18ホール、群馬県吾妻郡嬬恋村)の5施設。対象資産について、引き続き㈱西武リアルティソリューションズが土地建物に係る権利を保有し、㈱西武・プリンスホテルズワールドワイドが運営を行うとしている。
同社は、2022年6月30日付け「子会社における固定資産の譲渡に関するお知らせ」でゴルフ場10コースを含め、ホテル、スキー場等、計31施設の売却を公表。今年3月までにシンガポール政府系企業に施設を譲渡してきた。しかし、譲渡にあたって同意を取得すべき第三者から短期間のうちに同意を取得することが困難であると見込まれたことから、譲渡先と協議した結果、譲渡を中止することとしたとしている。
譲渡を中止した5施設以外は資産の譲渡がすべて完了しており、その譲渡価格は1237億円で帳簿価格(昨年3月31日時点)608億円に対し、譲渡益は約540億円としている。ゴルフ場9コースを含みホテル、スキー場等計26施設の資産譲渡が完了。前記の5施設譲渡中止により、約180億円の譲渡益を計上する見込みが修正となった。
この関係もあり、同社は2023年3月期(2022年4月1日~2023年3月31日)通期業績予想を前回(今年2月9日)公表の数値から修正し、営業収益で4270億円(前回公表時4240億円、前期実績は3968億56百万円)、営業利益212億円(170億円、132億16百万円の営業損失)、経常利益180億円(140億円、174億40百万円の経常損失)と上方修正したが、親会社株主に帰属する当期純利益は540億円(790億円、106億23百万円)の見込みと修正した。
営業収益等は、国内ホテルにおいてインバウンドや国内の旅行需要の回復が想定を上回っていることなどを理由に挙げた。ただし、連結子会社が保有する一部の固定資産(瀬田Gコース=滋賀県)について将来の回収可能性を検討した結果、96億円の特別損失(減損損失)を同期に計上する見込みとなったという。なお23年度新卒初任給引上げも発表し、大卒で23・5万円(6・8%増)とした。