2023.07.15
2023/7/15 景気ウォッチャー5年3月、現状IDが大幅に上昇
内閣府は『景気ウォッチャー調査』の令和5年3月調査の結果を4月10日に公表した。
北海道から沖縄までの全12地域で『現状判断』に回答したゴルフ場関係者は6地域(2月6地域)計10人(9人)で、最高評価の〝良くなっている〟は2人(1人)、〝やや良くなっている〟は3人(1人)、〝変わらない〟は3人(4人)、〝やや悪くなっている〟は1人(2人)、〝悪くなっている〟は1人(1人)となった。現状判断DIを独自に算出すると、令和5年3月は65・0となり、前月の47・2に比べ17・8ポイント(以下、P)も上昇している。令和2年11月(65・6)以来のDI65になるとともに、2カ月連続で10P以上の上昇を記録している。
3月は、雨や雪の日もあったが温暖な天候で南関東地域のウォッチャー(経営者)は「シーズンインに向けて利用者が増えてきている」として〝やや良くなっている〟との現状判断。個人ゴルファーだけでなく、「(3月)後半には会合、接待、送別会を開催する企業等が増えてきて、売上も前年同期に比べ良くなってきている」(甲信越地域、経営者、良くなっている)、「企業名を冠したコンペや法人接待需要も回復しつつあり、高稼働率で推移している」(南関東地域、経理担当、変わらない)と法人利用も活発化しているようだ。他には「比較的高価格な商品の購入や土日祝日の予約数」の状況から、景気は〝やや良くなっている〟と現状判断するウォッチャー(九州地域、従業員)もいた。
一方、『先行き判断』は6地域(2月6地域)計12人(11人)が回答。〝良くなる〟は0人(1人)、〝やや良くなる〟は4人(1人)、〝変わらない〟は2人(4人)、〝やや悪くなる〟3人(1人)、〝悪くなる〟は3人(4人)。先行きDIは39・6で、前月の36・4に比べ3・2Pの上昇となっている。
先行きについては判断理由によって良い悪いが分かれており、〝良い〟寄りの判断は「今まで個人の客中心であったが、企業のコンペが多数予約に入っている」(九州地域、営業、やや良くなる)、「暖かくなり予約の問合せが増加しているが、予約数は例年と余り変わらない。今後、予約数が増加すれば、景気はやや良くなる」(中国地域、営業担当、やや良くなる)、「2か月先の5月の予約数は前年と同様でほぼ順調である。コンペの予約数も増える傾向」(東海地域、支配人、変わらない)などプレー予約の状況を理由に挙げている。
逆に〝悪い〟寄りは「電気料金は3年前の2倍以上になっている。修理部材なども新型コロナウイルス感染症の発生前に比べて2~3割上昇しており、利益を圧迫している」(南関東地域、経営者、悪くなる)、「スイスや米国の銀行破綻や、終息しないウクライナ情勢等、不安は残る」(甲信越地域、経営者、やや悪くなる)など、物価上昇や世界情勢が判断理由となっている。先行き判断を〝やや良くなる〟としたウォッチャー(南関東地域、経営者)でも、「4~6月にかけて更なる物価の上昇が懸念されることから、売上自体の伸びは微増にとどまる」と見込んでおり、物価上昇が解消されない限り、景気の先行き判断が良化するのは厳しそうだ。
なお、業種全般の令和5年3月DI(原数値)は現状が55・0で前月比4・0P上昇、先行きが54・1で同2・1P上昇と、現状、先行きとも2カ月連続で標準DIの50を超えている。