一季出版株式会社

2023.07.26
2023/7/26 訪日外国人、国内ゴルフ場への支出もコロナ前上回る

観光庁は4月20日に、2023年1〜3月期「訪日外国人消費動向調査」結果(1次速報)を発表した。
それによると、訪日外国人旅行消費額は、2019年同期比11・9%減の1兆146億円と推計されたという。国籍・地域別では韓国が1999億円(構成比19・7%)と最も大きく、次いで台湾1535億円(同15・1%)、中国1069億円(同10・5%)、香港1054億円(同10・4%)と近隣諸国が上位を占めた。しかも2019年同期は中国が4244億円でトップで、その中国が今年1〜3月期に74・8%も減少、その他の国はすでに19年同期のコロナ前を上回った。

訪日外国人1人当たり旅行支出は21・2万円で、19年同期比43・8%も増加。国籍・地域別では、中国(74・7万円)、オーストラリア(35・8万円)、フランス(30万円)の順で高くなっている。
 同調査から「ゴルフ場・スポーツ施設利用料」(2019年まではゴルフ場のみの集計)で消費動向を集計しており、23年1〜3月期は40人(19年同期は17人)で選択率は0・6%(0・3%)、1人当たり支出額は5万6490円(1万5928円)と、コロナ前を大きく上回った。国別では韓国が12人で消費単価も8万408円と大きく、19年同月の5人、消費単価1万5030円と比べても大きく伸ばしている。コロナ前の19年から日韓事情により落ち込んでいた反動もあるとみられ、九州などを中心に韓国からのゴルフ客が増えたとの報告も伝わっている。

また同じく観光庁が発表している3月の訪日外客数は181万7500人と推計され、昨年10月の個人旅行再開以降で最高を更新している。3月は桜シーズンの訪日需要の高まりやクルーズ船の運航再開等の影響により、2019年同月比では65・8%(94万2636人減、34・2%減)まで回復した。米国をはじめとした欧米豪中東地域からの訪日外客数の大幅な増加が全体を押し上げたという。
韓国が46万6800人(19年同月比20・3%減)と群を抜き、台湾27万8900人(30・7%減)、米国20万3000人(15%増)となり、米国ではコロナ前を上回った。中国が89・0%(61万5579人)減の7万5700人とまだ少ないことが響いた。この中国も4月、5月で大きく戻る予測もあり、今年夏には全体の訪日外客数がコロナ前に回復するとの予測も出ている。

一方、出国日本人数は3月が69万4300人(前年同月は7万678人)と10倍近く戻った。月単位では昨年8月以降30万人台、12月と1月は40万人、2月は53万7705人と徐々に戻ってきている。ただし2千万人を超えた2019年の3月は約193万人で、円安等もあって海外旅行はまだ戻ってきていない。
本格的なポストコロナになり、海外旅行も戻ってくると、国内ゴルフ場の需要動向にどう影響するのか、注目されるところだ。

関連記事:2023/5/14 訪日外国人、国内ゴルフ場支出はコロナ前上回る?

「ゴルフ特信」第6933号より一部抜粋

過去のお知らせ一覧はこちら