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2023.08.15
2023/8/15 ㈱平和の23年3月期決算、遊技機復調し大幅な増収増益

パチンコ等の遊技機器メーカーで、ゴルフ事業のパシフィックゴルフマネージメント㈱(PGM、田中耕太郎社長、東京都台東区)を完全子会社としている㈱平和(嶺井勝也社長、同)は5月12日、2023年3月期(2022年4月~23年3月)の連結業績、説明会資料を発表した。
同期の売上高は1422億90百万円(前年同期比17・1%増)で、営業利益269億05百万円(162・9%増)、経常利益266億31百万円(154・4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益206億85百万円(843・1%増)と大幅な増収増益となった。営業利益率は18・9%の高水準。24年3月期通期予想は売上高1546億円(8・7%増)、営業利益300億円(11・5%増)、経常利益287億円(7・8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益210億円(1・5%増)を見込んでいる。

定性的情報としては、遊技機業界でパチスロ6・5号機のヒット機種が稼働を牽引し、さらに22年11月から導入のスマートパチスロ(スマスロ)も市場の評価を得て、パチスロ市場は回復傾向で推移したという。23年4月にスマートパチンコが市場に導入され、活性化が期待されるという。ゴルフ業界においては、例年より梅雨の期間が短く、冬季においても比較的降雪量が少ないなど全体的に天候に恵まれたことに加え、引き続きゴルフプレー需要は旺盛で来場者数は好調に推移。顧客単価も、高い需要に支えられ回復傾向となったとしている。
セグメント別の業績では、遊技機事業がパチンコ機やパチスロ機、特にスマスロ第一弾の販売で大幅に増加。売上高は506億78百万円(前期比39・8%増)、営業利益151億55百万円(前期は営業損失6億07百万円)、営業利益率は29・9%となっている。
ゴルフ事業においては、「HEIWA・PGM CHAMPIONSHIP」の3年振りに開催や「withGolf」の拡充、「Cool Cart」の導入を実施。M&Aでは、PGM御殿場CC(旧・足柄森林CC、静岡)を22年12月より運営を開始した。

以上の結果、ゴルフ事業売上高は916億11百万円(前期比7・4%増)、営業利益145億82百万円(前期比9・8%増)となった。売上総利益率は23・4%(1・2P増)、営業利益率は15・9%(0・3P増)となった。同期(期末147コース)の来場者数は22・2万人(2・5%)増の895・8万人、顧客単価は434円(5・0%)増の9198円。内訳はグリーンフィ+カートフィ6494円(4・5%増)、キャディフィ202円(6・9%減)、プロショップ411円(3・8%増)、F&B(料飲)1778円(5・6%増)、その他が311円で新規取組みで23・9%増と増加率が高くなった。24年3月期計画は来場者数906・5万人、顧客単価9434円を見込む。

市場動向は、ゴルフ場の稼働率は土・日祝日はMAXに近い水準だが平日の稼働率は伸びしろがあるとし、顧客単価はゴルフ人気を背景にプレーフィは上昇、会食を伴うコンペ需要の低下によりF&B等の単価はまだ回復していないものの、徐々に回復傾向にある。資源高に伴う水道光熱費の増加に関しては売上高の増加により利益が増加したと説明している。今後も集客及び顧客単価の拡大や業務改革の実行、良質なゴルフ場取得に取り組むとしている。

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「ゴルフ特信」第6940号より一部抜粋

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