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2023.08.22
2023/8/22 ゴルフ場建設工事、第三次産業からの企業の発注減少

国土交通省は、令和4年度分(令和4年4月~令和5年3月)の「建設工事受注動態統計調査報告」を先ごろ公表した。
この統計調査は、全国の建設業許可業者約47万業者から約1万2千業者を対象に実施しており、そのうちゴルフ場建設工事は請負契約額1件当たり500万円以上を集計している(平成25年度に推計方法を変更)。
それによると、令和4年度の全国ゴルフ場建設工事金額(請負契約額)の総額は81億95百万円で前年度実績に比べると104億06百万円、率にして55・94%減と半減し、工事件数についても256件で前年度実績に比べ62件、19・37%の2桁減少となっている。

工事を発注した企業の工事金額を業種別(全11業種)でみると、3業種で前年度とも金額ゼロとなり、前年度に比べ減少は「卸売・小売業」ゼロ(前年1億49百万円)、「運輸業」ゼロ(同1億31百万円)、「不動産業」53百万円(前年度比83・69%減)、「製造業」76百万円(75・34%減)、ゴルフ場企業を含む「サービス業」48億01百万円(71・96%減)の5業種。増加は「電気・ガス・熱供給・水道業」9百万円(前年度ゼロ)、「鉱業、建設業」4億97百万円(前年度比1105・73%増)、「その他」27億59百万円(418・18%増)の3業種だった。
一方、工事件数では、2年度連続で受注工事ゼロの3業種を除き前年度比減少が6業種、前年度比増加が2業種という結果だった。増加の内「鉱業、建設業」は28件で前年度比24件、599・09%増加した。減少は、「不動産業」が26件減の10件、金額で大幅増加した「その他」が20件減の22件などと続き、「サービス業」については13件減191件となっている。

令和4年度の1件当たり工事金額を計算すると32百万で、前年度に比べ45・3%の減少。業種別では「その他」が唯一1億円超えの1億28百万円でトップ、次は大きく水をあけて「サービス業」の25百万円などとなっている。
ゴルフ場建設工事は、新型コロナウイルスの感染拡大が深刻化した令和2年度に大幅減少(金額50・99%減、件数63・91%減)したが、3年度にはコロナ下のゴルフブームに後押しされてか激増(金額284・08%増、件数45・87%増)した。
4年度は、「サービス業」、「不動産業」など第三次産業の企業からのゴルフ場建設工事発注が減り、急増した3年度の反動も手伝って金額、件数とも減少したとみられる。

ちなみに、ゴルフ場建設工事を含む同統計の土木工事全体の工事金額は4兆7263億65百万円で、前年度比8・2%の増加。工事種類(全10種類)別では増加が7種類、減少が3種類となっており、ゴルフ場建設工事は減少した3種類の中でも断トツの減少率(他2種類は埠頭・港湾工事2・0%減、その他の土木工事4・8%減)となっている。

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「ゴルフ特信」第6942号より一部抜粋

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