2023.08.28
2023/8/28 動態統計確定で、ゴルフ場の記録的回復を裏付ける
経済産業省「特定サービス産業動態統計」の確報が発表されたことで年度集計を行ったところ、ゴルフ場の利用者状況は前年度に比べて増加率は落ち着いたものの、21世紀最大の過密状態にあり、売上高もかなりの回復度合いを示したことがわかった。
発表された確報では速報時より若干増えていて、利用者数は73万2280人(速報時73万2133人)で、前年同月比3・1%の増加(速報時と同)。売上高は73億09百万円(73億06百万円)で前年同月比6・2%増(6・1%増)となり、利用者、売上高とも2カ月連続の増加が確定した。
これにより、22年度(22年4月~23年3月)は、利用者数は1055万608人となり、前年度比2・4%の増加。売上高は1028億21百万円で前年度比8・3%増となり、利用者、売上高とも2年度連続の増加が確定した。
年の途中などで調査ゴルフ場数が変化することもあり、18ホール換算で22年度実績を集計しなおすと、利用者数は5万3152人で前年度比2・5%増、19年度を100とした指数では113・5となり、同省がゴルフ場調査を開始した2000年度以降、指数が高かったのは21年度の110・7だったので、22年度はこれを超えたことになる。さらに22年度の1日当たり利用者数は174・8人で指数にして116・8まで達しており、ともに約160人で2003年度に106・8まであった2002年度と2003年度の21世紀初頭を軽く上回る活況となっている。
もっとも、売上高に関しては22年度に大きく回復しても1人当たりの利用額(客単価)は9746円で、19年度の9850円に若干及ばず指数は98・9にとどまった。
指数面で回復し、増加が著しいのが平日の利用料金の123・8、次に平日の非会員利用者数118・1、1日当たり利用者数116・8、平日の会員利用者数116・6の順となった。
すでにゴルフ練習場の動態統計はコロナバブルが終り、平常時に戻ってきている部分もあり、ゴルフ場もコロナ感染予防のためのマスク着用が自主判断に緩和するなど、行動規制がなくなる影響も懸念されることから、2022年度がゴルフ場利用のピークとなってしまう可能性も出てきている。ただし、売上高は物価が上昇して、ゴルフ場も値上げ対応が増えてきたことで、まだしばらくは増加傾向が続くこともありしそうだ。