2023.11.23
2023/11/23 22年度全国ゴルフ場利用者数の概算が明らかに
公益財団法人・日本ゴルフ協会(JGA、東京都中央区)は、全国のゴルフ場利用者数調査結果を『JGAゴルフ応援サイト』(https://www.golfer-support.com/)に掲載を開始した。一般社団法人・日本ゴルフ場経営者協会(NGK)の協力で掲載したとしており、毎月更新する予定。
公開されたデータは、全国のゴルフ場利用税に基づく利用者数で、NGKが従来から集計しているゴルフ場利用税徴収月(実際の利用は前月)の施設数、総利用者数(うち課税利用者数、非課税利用者数)と年度合計(利用月では3~2月)を公表。23年度も4月(3月)、5月(4月)速報分も掲載している。いずれも、NGKでは会員ゴルフ場向けに発表済みのデータとなっている。ただし、年度合計のデータは都道府県等で修正が入る可能性があり、NGKでも年度の最終発表は今秋の予定で、増減率などを参考までに集計して、掲載した。
NGKが発表した今年4月度(表では5月)の全国ゴルフ場利用者数は、前年同月比21千人減少(0・3%減)の797・6万人と概算で公表していた。コロナ禍前の2019年4月比では41・9万人増加、5・5%増であった。
今回JGAで公表された22年度の全国ゴルフ場利用者数は9135万9466人で、増減率を計算すると前年度比1・8%増、19年度比は5・8%増になる計算だ。20年度の5~6月(4~5月)は特に3割前後の史上最大の落込みとなったものの、同年内で夏を境に急激に回復し、年度合計では前年度比5・4%減(JGA発表分からの計算では5・7%減)まで回復していた。21年度は10・2%増と前年度のマイナス分を取り戻して余りあるV字回復を見せた。22年度はその勢いが弱まったものの、1・8%増となり21年度をも上回ったものだ。
課税者の割合推移を見ると、19年度は77・5%だったが、20年度はコロナ禍初年度で77・7%と0・2ポイントアップ、しかし21年度は77・1%と0・6Pダウンすると、22年度は0・6Pダウンの76・5%。さらに23年度は4月73・8%(前年同月74・9%)、5月74・8%(75・3%)と21年度からダウンしてきている。
利用者数の増減だけ見ると、課税者は20年度に5・1%ダウンした後、21年度9・4%増、22年度1・0%増となり、22年度の19年度比較は4・5%増であった。一方非課税者は20年度に6・2%ダウンしたが21年度13・3%増、22年度4・4%増となり、22年度の19年度比は10・5%増と課税者の利用者数の伸びを上回った。23年度の4月は課税者が0・3%増に対し、非課税者は6・2%増、5月は課税者1・0%減に対し、非課税者は1・8%増となった。
非課税者数は、2003年にゴルフ場利用税非課税が適用されてから右肩上がりで、過去20年間で非課税利用者数が減少したのは20年度だけだった。つまり、コロナ禍で20年度当初は高齢者の利用数がダウンしたものの、コロナ禍がおさまってくると高齢者を含む非課税者の利用者数、利用回数が増えて今の活況を支えていることになる。
22年度のゴルフ場数発表はまだないが、過去の例からすると220コース前後が見込まれることから、1コース当たりでは4万1千人台になっていると予測され、21年度を上回るのが確実となった。
日本人の健康寿命(2019年調べ)は男性72・68歳、女性75・38歳となっているが、必ずしもその年齢になるとリタイヤするわけではなく、後期高齢者入りしても団塊の世代などシルバー層はゴルフで健康寿命が伸びているのは間違いないだろう。
逆の見方では、コロナ禍を経ても団塊の世代頼りの市場構造は大きく変わらなかったことになる。将来を見据えて持続的な産業発展を目指すには人口が最多となった50代前後の次世代が現在の60代や70代のように、ゴルフ人口と回数が増えることが望まれる。それと少子化でゴルフ人口が減少していくのは必至で、女性や若者の裾野を広げる必要があるのは業界関係者が一致して望むところだ。