2024.04.22
2024/4/22 ゴルフ業界は消費者に選ばれる施策やアピールが必要に
2023年は新型コロナウイルスの感染症法上の分類が5月8日をもって5類に変わり、イベントなども4年振りの開催が多くなるなど平常化が進んできた。ただロシナ、ウクライナ問題に加え、パレスチナ、イスラエル問題などの紛争も解決せず、世界情勢の不安は依然続いている。
一方、国内では岸田文雄首相のもとで様々な法案が作成・施行され、23年10月からインボイス制度を実行、24年1月から電子帳簿保存法により電子データでのやり取りの保存・整理が義務付けられた。増税策やパー券問題により内閣支持率も低下しているが、国内経済はコロナからの回復がやや緩やかながらも、株価などは先取りしプラス(日経平均株価は1989年以来の水準)が目立ってきた。
12月21日に閣議決定した政府の令和6年度の経済見通しでは、〝30年ぶりとなる高水準の賃上げや企業の高い投資意欲など、経済には前向きな動きが見られ、デフレから脱却し、経済の新たなステージに移行する千載一遇のチャンスを迎えている〟と前向き。〝他方、賃金上昇は輸入価格の上昇を起点とする物価上昇に追い付いていない。個人消費や設備投資は、依然として力強さを欠いている〟と懸念点もあげている。令和5年度の国内総生産(GDP)は実質1・6%成長(名目5・5%成長)、消費者物価は3・0%程度の上昇を見込み、6年度は賃上げを始めとする所得環境の改善や企業の設備投資意欲の後押し等により1・3%成長(3・0%成長)が期待されるとした。
令和6年度の経済財政運営にあたっては、「成長と分配の好循環」の実現を目指すとし、持続的で構造的な賃上げの実現に向け、労働市場の改革に取り組むなどとした。国内投資の拡大を促進するため科学技術の振興及びイノベーション、GX、DX、半導体・AI等の分野での投資を促進。少子化対策等にも取り組む。日本銀行には、賃金の上昇を伴う形で、2%の物価安定目標を持続的・安定的に実現することを期待するなどとしている。
2024年の主要イベントを順にみていくと、1月新NISA開始、3月米大統領予備選挙、ロシア大統領選挙、4月「2024年問題」(建設・運輸・医療に認められていた時間外労働の上限猶予がなくなる)、6月岸田首相の所得税減税、7月東京都知事選挙、新紙幣発行、8月パリ五輪、9月岸田首相の自民党総裁任期満了、11月米大統領選挙、2025年4~10月に大阪・関西万博がある。
パリ五輪は1年延期があった東京五輪から3年後となり、ゴルフ競技が東京五輪で注目されたほどの人気(視聴率)となるかも注目される。
経済産業省の動態統計でもわかるように、ゴルフ界ではコロナ禍で特需に沸いたゴルフ練習場が23年は前年の反動減が大きく、他の旅行やレジャー等に流れた現象が起こっているが、ゴルフ場は数値上ではまだ深刻な状況となっていない。しかも、コロナ明けの状況となっても円安の影響から、海外旅行の回復は緩やかで、インバウンド(訪日客)が過去最多レベルまで回復しており、地域によっては韓国等の訪日客で賑わうゴルフ場も増えてきている。
国内のゴルフ界は訪日客、消費者に選ばれる施策や業界としてのアピールがより必要になるだろう。