2024.09.28
2024/9/28 矢野経済、24年ゴルフ用品市場規模を前年比3%増と予測
㈱矢野経済研究所(水越孝代表取締役社長、東京都中野区)は、今年1月から3月にかけてスポーツ用品国内市場に関する調査を実施し、その概要を先ごろ発表した。
それによると、2023年のスポーツ用品国内市場規模(国内出荷額ベース)は前年比0・2%増の1兆6493億10百万円で、市場全体としては横ばいに近い微増推移を見込む。
スポーツ用品のカテゴリー別(全17分野)では、伸び率順だと「バドミントン」の前年比12%増を筆頭に、「スキー・スノーボード」10・8%増、「バレーボール」10・2%増と3分野で2桁増となるなど計13分野が前年に比べ増加している。「ゴルフ」は金額では3096億50百万円でカテゴリー別トップとなっているが、伸び率では0・1%増と前年並みだった。
2020年以降の新型コロナウイルス感染症拡大により冷え込んだスポーツ用品市場を支えたのは、アウトドア系レジャー分野だった。しかし、2023年は新規参加者数の落着きから需要が低減しており、ゴルフの前年並みをはじめ「アウトドア」(前年比1・6%減)、「釣り」(11・5%減)、「サイクルスポーツ」(12・6%減)となった。コロナ禍の需要拡大に伴い、参入メーカー各社が生産量を増やしたため、2023年には供給過多となり、販売単価下落やメーカーの発注数減少で苦戦となったようだ。
新型コロナウイルス感染症の5類移行で、競技系分野の「バドミントン」、「バレーボール」、「サッカー・フットサル」の市場規模がコロナ禍前超えとなっているが、競技系分野の大半は依然としてコロナ禍前の水準には戻ってきていないという。
一方、2024年の国内市場規模については、全体で前年比3・0%増の1兆6984億40百万円と予測している。そのうちゴルフ用品は前年比2・3%増の3168億20百万円とプラス成長を果たす見通しという。プラス成長は全17分野中ゴルフ用品を含む15分野と予測しているが、矢野経済研究所では、コロナ禍からの回復という過去3年間と同様の成長要因が2023年中にほぼ無くなると考え、「インバウンド需要の回復と、メーカー各社の上代値上げが市場底上げ要因になり得るが、その他の成長要因に乏しく、市場の成長の先行きは不透明である」とまとめている。
なお、同社ではこれら調査を詳細にまとめた『2024年版スポーツ産業白書』を発行しており、19万8000円(税込)で販売している。