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2024.10.27
2024/10/27 やくらいサイズゴルフ倶楽部(宮城)でのメガソーラー計画判明

やくらいサイズゴルフ倶楽部(18ホール、宮城県加美郡)の用地を大規模太陽光発電(メガソーラー)に転用する計画が明らかになるとともに、3年前に町がゴルフ場会社に土地を売却した同じ日にゴルフ場の土地と建物が外資系の会社に転売されていたと6月20日に地元の河北新報他で報じられたことから、地元の加美町の町長が対応に追われるなど報道が過熱している。
同問題は河北新報に報じられる前から、6月13日の町議会での説明で明らかになっていて、ゴルフ場用地には遺跡が見つかり、今後の太陽光発電の整備計画に影響が出るとの報道も別にあった。

このゴルフ場は1995(平成7)年8月に積水化学工業が母体となってオープン。2008年4月にゴルフ場運営業のチームトレイン㈱に運営を委託し、同年6月30日には積水化学工業子会社のゴルフ事業会社の株式をダヴィンチグループに売却、運営はそのままチームトレイン㈱で継続し、その後同社が主体となった。2013年に運営側は高い固定資産税負担を軽減しようと町にゴルフ場用地の売却を持ち掛け、土地と建物で年間1220万円あった固定資産税を建物分のみに軽減。ゴルフ場では町から年間100万円の賃料(単年度契約)で土地を借り受け、事業を継続し、売却額と同額の9500万円で買い戻せる条件を付記した。
2017年4月にゴルフ場運営会社は合併。2021年3月にチームトレイン側がゴルフ場運営継続のために町へ土地の買戻しを申し出て、同年4月23日に町議会で土地売却案が可決し、同日チームトレイン側に9500万円が振り込まれたという。

それが今回、同年4月23日のうちにカナディアン・ソーラー側の「ティーダ・パワー110」に4億円で転売されていたことがわかったというもの。カナディアン・ソーラーはその名の通りカナダに本社を置き、ソーラーモジュールを提供しているほか、日本での事務所は東京都新宿区に置き、ゴルフ場跡地等での太陽光発電事業も積極的に行っている会社。ナスダックにも上場する世界的な会社だが、創業時のメンバーや役員から中国系と指摘する報道もある。
議会や報道で問題となったのは当時、町とチームトレインはゴルフ場運営継続を条件に協定を結んでいたのに、同日付けで太陽光発電事業を営む会社に売却するのは「詐欺みたいなもの」と見出しになるほどの疑惑だ。
そうしてゴルフ場側は昨年11月、経営難を理由に2024年でゴルフ場の営業を終了し、新たにメガソーラーを建設すると町に申し入れたという。

同ゴルフ場用地他での「CS宮城やくらいGC太陽光発電事業」計画は、今年4月12日から5月13日まで環境影響評価の準備書を公告していた。面積146ヘクタールに太陽光パネル約11万6800枚を設置、発電所出力は最大8万キロワット(直流)予定となっている。
石山敬貴加美町長は、今回の騒動に関して、メガソーラーの計画には住民から反対の声が多いこと、ゴルフ場がメガソーラー業者に転売されて4倍になったことも説明を求めるなど毅然として対応するとのコメントを出している。

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ゴルフ特信」第7097号より一部抜粋

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