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2024.11.26
2024/11/26 東急リゾートタウン蓼科、「カーボンマイナス」へ

東急不動産㈱(東京都渋谷区)が保有し、東急リゾーツ&ステイ㈱(同)が運営する東急リゾートタウン蓼科(長野県茅野市、加瀬努統括総支配人)において、両社はタウン内に所在する蓼科東急ゴルフコースに設置している〝森のバイオマスボイラー〟に排煙中のCO2を吸収・固体化する装置を追加実装することで、カーボンマイナスを実現するバイオマスボイラーとして発展させる取組みを、住友電気工業㈱(大阪市)と共同で実施すると発表した。
東急リゾートタウン蓼科では、防災や生物多様性の創出の観点から、森林の樹木密集を抑制する保全間伐を実施しており、2020年3月からエネルギーの地産地消を目指した取り組みの一つとして、蓼科東急ゴルフコースに〝森のバイオマスボイラー〟を設置。タウン内の間伐材の一部をウッドチップに加工し、ボイラーの燃料として活用。ボイラーで得たエネルギーは、蓼科東急ゴルフコースの大浴場の給湯に活用し、エネルギーの地産地消を実現している。

ボイラーに実装するCO2固体化技術については、排出されるCO2を金属に吸収させて、安定・安全な炭酸金属粉metacol?(住友電気工業㈱の商標又は登録商標)へとリサイクルする。metacol?への固定化により、大気中へのCO2再排出を防ぐことができる。metacol?は鉄やマグネシウムなどの金属とCO2から生成した粉末で、紫外線を反射する機能性や安全性が確認されており、プラスチックと比較しても十分な強度を有した素材。この技術により、大気中のCO2を削減するほか、固体化したCO2素材を原料とした商品開発が可能となるとしている。
また同ボイラーは、燃料のウッドチップが成長過程で吸収したCO2によって燃焼時に発生するCO2をオフセットすることで、カーボンニュートラルを実現するボイラーとして稼働してきた。今回導入した装置によって「カーボンマイナス」を実現。加えて、固体化したCO2を原料としたオリジナル商品開発に取り組み、CO2排出量を減らしながらカーボンリサイクルも実現することで、脱炭素社会のみならず循環型社会の実現にも貢献するとしている。

吸収したCO2を活用した、オリジナル商品としては、①もりをまもるゴルフティー(CO2を固めて作ったゴルフティー。metacol?と生分解性樹脂で作っており、最終的に水とCO2に分解され土に還る)、②もりをまもるボトル&スリーブ(蓋とストッパー部分には、飲食店などで大量廃棄されているコーヒー粕を一定使用し、プラスチック使用量を削減したエコなクリアボトル。ボトルスリーブはCO2を固めて作ったもの。森林の水質の浄化機能を活用しおいしい水に)。
今回の技術導入により、化石燃料を原料とするプラスチックをmetacol?に置き換えることが可能とし、化石燃料の使用量を削減すると同時に、CO2を製品に貯蓄することができ、バイオマスボイラーのカーボンマイナス効果を高め、脱炭素の促進に大きく貢献するとしている。

ゴルフ特信」第7112号より一部抜粋

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