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2019.01.15
2019/1/15 来年東京五輪 ゴルフ界は新ルールで活性化の好機

 新ゴルフルールの施行により、ゴルフ界は多少活気付きそうだ。

 距離測定器の使用が正式競技でも認められ、一般のプレーでもカートナビやスコア集計などでコンペの開催が盛り上がりそう。それにグリーン上で、ピンを立てたままパットするプレーは進行も早まり、ゴルフ場にとってはキャパシティ増により来場者増も見込める。

 R&Aは女子ゴルフ憲章を採択し、世界の女子ゴルフ振興策に資金的な支援も行う。JGAも女子ゴルファー増に取り組む方針で、今年のゴルフサミットのテーマにも掲げている。今後JGAでは、男女ミックス競技の新設や、手軽に取り組みやすい9ホール競技の推奨なども検討して女子ゴルファー振興につなげる考えという。  

 ゴルフ界は2025年問題などとして、団塊の世代が後期高齢者入りする以降の市場縮小を懸念している。これを補うのは、国内ならまだ実施率の低い若者、女性であり、長期的にはインバウンドと言えるだろう。  

 30年のゴルフ場入場者数は、あれほどの悪条件があっても3%程度の減少でとどまったように、シニア層を中心に需要は底堅い。レジャー白書のゴルフ人口は2018年で670万人となり、前年より120万人増えたが、長期的には減少するのは免れない。もっとも、レジャー白書はネットによる調査のため、ゴルファーの中心層がネットで拾えない調査の弱点もあるという。それはともかく、新ルールやアプリなどは若者、女性にも訴求できる要素であり、来年の東京五輪や目新しさのチャンスを業界活性化の好機として活かすべきだろう。  

 あるプロゴルファーは、ピンを立てたままパットした方がボールがカップに入りやすいと、打ち方まで研究しているという。一部ゴルフ場でデカカップのイベントも行われており、ボールが入りやすい細いピンなど、新たな発明品が生まれる可能性もありそうだ。紛失球が出やすいホールや難しいバンカーがあるホールなどは、対応する措置を教えるアドバイスもあっていいだろう。ゴルフ場も運営次第で集客力に差が出てきそうだ。
【記事を2本公開】インバウンドゴルファーを一年で7倍強にしたゴルフ場を取材!
2018/5/24 【GMトピックス】2019新ルール解説記事

※「ゴルフ特信」第6320号より一部抜粋

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