一季出版株式会社

2019.04.22
2019/4/22 USGAシンポで米・豪のゴルフ場業界現状を報告

USGAのイノベーション・シンポジウムでは、先に紹介した「日本のゴルフ場調査」に続いて米、豪の協会関係者もそれぞれのゴルフ産業事情を説明した。
アメリカのゴルフ場オーナーズ協会(ナショナルゴルフコースオーナーズアソシエーション)のジェイL・カレンCEO(We Are Golf会長も兼任)は、クイズ形式も交えアメリカのゴルフ場産業の経営環境を説明した。

アメリカでは1960年代のアーノルド・パーマー人気でゴルフブームとなり、プライベートコース(会員制)の数をパブリックコースが上回ったことや、ゴルフ人口のピークは2003年でタイガー・ウッズの人気も供給(ゴルフ場数)とは若干ズレがあったという。そして現在のゴルフ場のプレー料金は38ドルで1年間のラウンド数は2万8000ラウンドが平均と紹介し、CPI(消費者物価指数)から見るとゴルフのプレー代は値上がりせず安くなっているとして、参加者には新しい収入減を見つけることを提案した。また最近はコース場以外の練習場やシュミレーションが増えているいることも紹介した。アメリカのゴルフ業界の課題はミレニアル世代である20~40代プレーヤー数の落ち込みであるとも指摘している。

もっとも、対策を立てようにもゴルフ場所有者が細分化して1つの方向への対応が難しいとも話した。
今後の見込みについては供給(ゴルフ場数)は減少を続ける見込みで、ゴルフ以外の用途に転換するとしたが、需要については10~15年にわたって横ばいの見込みという。ゴルフは、他のメジャースポーツと比べても若い世代の潜在的需要は非常に上昇続けているとし、PGAジュニアリーグへの期待感も示した。
エンターテイメント化で人気を博しているTOP GOLFやシミュレーションゴルフに注目もしているとし、シミュレーションゴルフでコースでのプレーヤーが増えている韓国で起きていることはアメリカでも起こるとして、「楽しみを増やすことが必要」と説いた。具体的にはティボックスの増設や需要に応じたプレー料金の設定、ドレスコードをアメリカ的にすることを挙げた。またトーナメントなどプロゴルファーの世界は華やかだが、ゴルフ場産業は〝 humility(けんそん)〟なものの市場規模的にもゴルフビジネス全体を支えていることを対比し、役割の大きさを紹介した。

次に登壇したゴルフオーストラリアのジェラルド・ケネディゼネラルマネージャーは、1497カ所のゴルフ場数、ゴルファー数120万人、クラブ会員数40万人などと報告し、数多くのゴルフ団体組織を「One Golf」として連合制にして組織を統括したことを紹介。ハンディキャップを調べるゴルファーが1日3万5千件、メールデースペース23万件以上、月300万回ページビューに育ち、それらを活用したビジネスにも期待できるなどと話した。

関連記事:2019/4/21 USGAシンポでの「日本のゴルフ場調査」報告

※「ゴルフ特信」第6350号より一部抜粋

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