2019.06.23
2019/6/23 アコーディアゴルフトラスト2019年3月期、減収減益に
シンガポールで上場しているアコーディア・ゴルフ・トラスト(AGT)は先ごろ、2019年3月期(4~3月)の業績を発表した。
同期間累計の営業収益は前年同期比0・6%減の511億59百万円、営業利益が同284・8%減の112億18百万円の損失、税引後利益が同402・3%減の124億93百万円の損失と減収減益になった。営業利益と税引後利益が大きくマイナスとなっているが、これについてAGTでは主な理由として①当第4四半期連結会計期間中に有形固定資産及びのれんの回収可能価額の評価により、特定のゴルフ場において予想を下回る業績、②国土交通省よりノーザンCC錦ケ原G場(43ホール、埼玉県)周辺の調整池整備事業の通達を受け、営業活動への影響を勘案し、将来予想される営業キャッシュ・フローの金額を算定--の結果、減損計上したことによるとしている。
アコーディア・グループから移管した89コースの業績で、収益の内訳はゴルフ場収益が0・0%増の342億51百万円、レストラン収益が2・1%増の127億62百万円、会員年会費など会員収益が9・8%減の37億21百万円となっている。
同期間のゴルフ場入場者数はAGT月次情報通り、572万4千人で前年同期比0・5%増、過去3年平均値比0・5%減、稼働率76・8%で前年同期比0・7ポイント(以下、P)下落、過去3年平均値比0・5P下落となっている。第1四半期(4~6月)と第2四半期(7~9月)がマイナスで、特に第2四半期は7月に発生した西日本豪雨、夏季の猛暑及び台風の異常発生等がゴルフ場稼働率に影響を与えた(稼働率73・9%で前年同期比6・5P下落、過去3年平均値比4・7P下落)が、残り期間で業績回復し入場者で微増、稼働率で微減にとどまったとしている。
財務情報の「日本のゴルフ産業」によると、景気は緩やかに後退しているとみられるものの、健康志向やシニア世代ゴルファーからの堅調な需要に支えられ、引き続き安定して推移すると予想。また、2017年から客単価に増加がみられ、消費増税による冷込みの可能性はあるが、気象条件に恵まれれば、増加傾向は継続することが見込まれるとしている。