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2019.11.28
2019/11/28 ラグビーW杯で訪日客増、一方訪日ゴルフ場客は減少

ラクビーW杯の日本開催もあり、訪日客数が増加することが期待されていたが、日本政府観光局によると、今年9月は韓国からの訪日客数こそ8月に続いて半減したものの他の諸国は中国、東南アジア、欧米豪でも9月として過去最高を記録し、前年同月比で5・2%の比較的大きな増加となったことがわかった。
日本政府観光局の推計値による、今年9月の訪日外客数は227万2900人で前年同月から約11万人、5・2%の増加となった。7月から大幅減少が続いている韓国が20万1200人で27万8千人、58・1%も減少。一方で中国は81万9100人で16万4千人、25・5%も増加、台湾が37万6200人で4万7千人、14・3%増加、香港が15万5900人で約3万人、23・6%増加、米国が12万7200人で2万3千人、21・6%増加となるなど17市場で9月として過去最高を記録した。昨年は台風21号や北海道胆振東部地震の影響を受けた月でもあったが、英国が4万9600人で2万3千人、84・4%も増加し単月として過去最高となるなどラクビーW杯が訪日客数を押し上げたのは明らかだ。

欧米豪などゴルフが盛んな地域からの訪日客数が増えて、さすがにゴルフ場利用も増えたかと思いきや、観光庁が実施している訪日外国人消費動向調査によると、むしろゴルフ場利用者率が低下して、消費単価も大きく下がっていることがわかった。
同調査によると今年7~9月にゴルフ場を利用したと回答したのは、回答のあった8307人のうち0・2%にあたる16人で、その消費単価は6356円であった。前年同期は23人で選択率0・3%、消費単価は9428円だったので3072円、32・6%も下がっており、より価格の安いゴルフ場を選んだゴルファーが多かったようだ。
四半期毎で見ると、今年4~6月は9201人中、0・4%に当たる35人がゴルフ場を選択しており、前年同期よりも0・2ポイント増えただけに、7~9月はよりゴルフ以外の目的を選んだ一般の観光客の比率が高かったことになる。
今年7~9月にゴルフ場を選択した16人を国別にみると、やはり少なくなったといっても韓国が最大の6人(前年同期9人)で0・5%(0・2P減)、次にラグビーW杯出場国でもある米国が3人(5人)で0・3%(0・1P減)、フランス2人(1人)で1・1%(0・6P増)を数えたが、英国やオーストラリア、イタリヤもゼロと期待された地域からのゴルフ場利用は少なかった。

神戸観光局ではW杯期間中、兵庫県内ゴルフ場の英語のプレー予約HPを作成して誘客に努めたが、「スコットランドチームの選手や関係者が利用した」(同観光局)と今後に向けての実験意義は大きかったとしているが、実績と呼べるほどの集客にはつながらなかったようだ。
また先日のアコーディア・G習志野CC(千葉)でのエキシビションマッチで南アフリカのラグビー選手がプレー、豊田CC(愛知)では豊田市で試合があった2チームの関係者のプレーを受け入れ、津CC(三重)や御殿場GC(静岡)ではラグビーを観戦しにニュージーランドやアイルランドから来たゴルファーを迎えた報告があった。

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※「ゴルフ特信」第6435号より一部抜粋

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