2020.01.25
2020/1/25 PGM、効率化目指した新ゴルフ場運営システムを発表
ゴルフ場運営大手のパシフィックゴルフマネージメント㈱(田中耕太郎社長、PGM、東京都台東区)は12月18日、PGM本社で独自に開発した新しいゴルフ場運営システム「Teela(ティーラ)」と、今後導入予定の無人芝刈機について発表した。
ティーラは同社と親会社・平和ゆかりの沖縄の言葉で、〝太陽〟を意味し、ゴルフ場運営には太陽が欠かせないことから命名した。ゴルフ場向け基幹システムを持つ三和コンピュータ㈱(吉村悟社長、東京都港区)と同子会社の㈱エー・エル・ピー(笹見孝夫代表取締役、北海道滝川市)の協力を得て開発した。最新のIT技術を応用し、パソコンとインターネットがあればどこでも利用できるクラウド型を採用することで、コスト削減を図ったという。
この新システムは、PGMが運営する142コース(導入時は139コース)に今年8月19日一斉に導入、翌19日から新システムで営業を行っている。
PGMの田中社長は、ゴルフ場運営の課題である、①ゴルファー人口の減少傾向に伴うゴルフ場収益減、②大きな運営コスト(人件費、コース管理費、災害復旧費用等)、③人手不足、IT化の遅れ--を解決するため基幹システムの開発が大前提だったとして入札を経て、三和コンピュータグループとともに開発を進めてきたという。
サーバーを使っていないので保守のランニングコストが半減でき、煩雑なゴルフ業務に合わせて使い勝手を改善していくことで、1年後以降他のゴルフ場にもシステムを販売する。経費削減ができれば、運営受託事業も拡大が見込めるとした。
また会員・予約管理、チェックイン・精算は、これまで本社で分析するのは早くて1日後だったが、クラウド型で本社・コース、コールセンター等でもリアルタイムの分析が可能で、事務処理のアウトソーシングも可能となり、ゴルフ場はサービスに専念できる。メジャーな予約サイトのインターフェイスにかんたんに対応できるサイトコントローラー、売上を最大化できるレベニューマネジメントにも対応、さらにはセルフレジを独自に開発中(筐体は東芝テックに開発を委託、内蔵ユニットは市販品を利用)で、来年4月末までにグループの80%のゴルフ場に設置予定という。
同レジの導入でQRコード決済も可能となり各種キャッシュレスサービスを取り扱える。また独自開発の強みでクーポン券発行やお客へのメッセージ等も可能になるという。
一方、PGMが開発に協力しているのは㈱共栄社(林秀訓社長、愛知県豊川市)の「バロネス無人芝刈機ULM270」で今年9月からテスト販売(15台予定)した際にはPGM運営のサンヒルズCC(栃木)、インペリアルCC(茨城)に初号機が導入された。無人芝刈機の本格販売は来年9月からを予定しており、PGMの田中社長はこの5連のフェアウェイモアを来春から2コースで実用化し近い将来、機械庫から無人でFWの芝刈りを行い倉庫に戻ってくる全面自動化が実現するよう、協力していきたいとしている。本格販売時の本体価格は2200万円(他に基地局設置に100万円必要)と有人の機械のほぼ倍額。共栄社の販売計画は1年目20台、2年目以降30台で台数は限られるが、FW以外のモア等にも広げたい考えという。