一季出版株式会社

2020.03.15
2020/3/15 新型コロナウイルス、予防対策がゴルフ業界にも波及

新型コロナウイルスに感染した日本国内在住者が発生したことや中国で感染者の死亡者が増えたことで、ゴルフ業界にも感染症予防が広がっている。
まず米国女子ツアー(LPGA)は1月30日、中国・海南島で3月5日に開幕する予定だった「ブルーベイLPGA」の中止を発表。ゴルフ関連企業が2月上旬に開催予定だったゴルフ場向けセミナーも海外からの講師が呼べずに延期となった。

国内ゴルフ場でも、花吉野CC(奈良)や近鉄賢島CC(三重)等の5コースを運営している㈱近鉄ゴルフリゾート(大阪府天王寺区)では1月30日、「新型コロナウイルス発生に伴う従業員のマスク着用のお知らせ」をホームページにも掲載し、従業員のマスク着用は体調不良によるものではなく、あくまでお客様並びに従業員の健康と安全確保を最優先とし、予防対策としての着用である旨を説明している。
昨年、日本シニアオープンを開催した日高CC(埼玉)では2月1日に新型コロナウイルス・インフルエンザの感染予防対策として、フロント従業員のマスク着用を実施していると案内。こちらも、マスクの着用は「感染予防対策」として、お客様並びに従業員の健康と安全確保に考慮したものと説明している。

ホームページで確認できるゴルフ場では、ホロンGC(静岡)など東京建物グループのゴルフ場、津久井湖CC(神奈川)、紀伊高原GC(和歌山)が従業員のマスク着用について、理解を求めている。練習場やインドア施設でも同様の案内が増えており、アコーディアゴルフスタジオ赤坂でもマスク着用をしている場合がありますと断っているが、同グループのゴルフ場では「表立っての掲示は行っていません。状況を注視しているところ」(広報)という。

中国の一般市民や中国からの訪日客、それに外国でテレビに映る観光客も総じてマスクを着用し、マスク着用が一般化してきた。もっとも、日本でマスクを大量に購入する中国からの訪日客も多数いた他、日本人もマスク購入に動いてマスク不足が深刻になっている。
そうした状況の中、シャトレーゼグループのゴルフ・リゾート事業では2月1日付けで「感染症対策」について「重要」と強調した会員、お客様宛案内をホームページに掲載している。〝お客様及びゴルフ場スタッフの健康と安全を考慮し感染拡大の防止策を強化している〟こと、〝マスク等備品の入手も困難を極めるなか自衛手段として、出来うる対応を実施して参ります〟として、「咳、発熱、風邪に似た症状のある方(上記症状が見られるお客様はご来場、ご入館の自粛をお願い致します)」、「従業員が接客の際マスクを着用して接客を行う場合があります(館内に消毒液をご用意しておりますので、ご利用をお願い致します。あわせて手洗いうがいを励行いただきますようお願い申し上げます)」と案内している。

ゴルフ場は電車・バス、町中や、会社・学校、他のサービス業ほど他の人との接触は少ないが、それほど感染症感染にナーバスになってきている。春節が2月2日で終わり、中国からの訪日客も少なくなったが、国内の感染例(2月4日時点の報道では国内感染者は20名で死亡者はゼロ、国別の感染者・死亡者数は厚生労働省のHPに掲載してある)が少なくなるまで、しばらく混乱が続きそうだ。
ゴルフ場の監督官庁の経済産業省は、ゴルフ場経営者団体の日本ゴルフ場経営者協会(NGK)に対して、中国における新型コロナウイルスの発生(一部地域の感染症危険レベルの引き上げ)に関し、中国湖北省以外の中国全土が、「レベル2(不要不急の渡航をやめてください)(引上げ)」となりましたと注意を喚起。さらに2月4日には〝訪日外国人旅行者に対し、発熱や呼吸器症状等がある場合には、事前連絡を行った上で医療機関に受診すること等を勧奨している〟として、日本政府観光局(JNTO)からの案内チラシ(英、中、韓表記)を各団体においてプリントアウトして掲示・配布、ホームページへの掲載などに活用いただきたいと案内した。
株式市場などは大混乱の後、ワクチンの開発や治療法などの発表などがあり、落ち着きつつある。
少なくともインフルエンザ、花粉症対策の時期だけにマスクが足りない状況はしばらく続きそうで感染症予防の自衛の対策が求められている。

ちなみに、1月末に中国湖北省武漢市からの政府チャーター機で帰国した191人を受け入れた勝浦ホテル三日月に対しては、国内から称賛の声が挙がっている。系列ゴルフ場に勝浦GC(千葉県勝浦市)がある。

関連記事:2020/2/6 2020年度男子ツアー、前年度と同じ25試合を開催

※「ゴルフ特信」第6473号より一部抜粋

過去のお知らせ一覧はこちら