一季出版株式会社

2020.08.13
2020/8/13 新東京都民ゴルフ場(東京)を葵会グループ支援で再開場へ

昨年末で運営会社が廃業を表明していたパブリック運営の新東京都民ゴルフ場(9ホール、東京都足立区)が、葵会グループの資本参加で復旧作業工事を始めており、8月1日に再オープンを目指していることがわかった。
同ゴルフ場は、昨年10月12日に関東等を縦断した台風19号の影響で10月末のホームページに《ゴルフ場営業終了のお知らせ》を㈱新東京都民ゴルフ場(茂出木庄一代表取締役社長)名で掲載。〝先般の台風にてゴルフ場が全面冠水し、未だにコースに入ることが出来ない致命的な被害を受けてしまいました。弊社で復旧出来る領域ではなく、苦渋の決断〟として、12月31日をもって廃業し、すべて営業終了すると表明していた。

もっとも、荒川の右岸河川敷で環状7号線の鹿浜橋上流にあり、JR王子駅からバスなどで20分程度の好立地にあり、元々は1955年開場の老舗ゴルフ場だけに、何社か支援に名乗りをあげる企業も出てきて、地元の足立区でもゴルフ場存続に反対する意見はなかったという。
そこで、全国で病院やゴルフ場も展開している葵会グループが支援に乗り出した。同グループでは運営会社の親会社で、足立区から管理運営の委託を受けた地元の造園・緑化会社の㈱NIHON.TURF&GREEN(足立区、平成20年4月設立=資本金1000万円)に資本参加し、引き続きゴルフ場を営業する方針に決定。同GREENは茂出木氏に代わり、葵会グループのバイオシステム㈱(東京都千代田区)で、ゴルフ場事業を含む事業統括責任者の河本貢司氏が今年3月24日付けで代表取締役社長に就任した。

その後復旧工事を始め、現在は土砂を撤収し、フェアウェイ部分には芝が蘇り、張り替えたグリーンの芝の刈り込みを始めている。水が溜まりやすい構造上の課題を抱えているが、河本社長は「グリーンやコースが万全になるには、あと1年は必要でしょうが、利用されていた皆様に喜んでもらえるよう、まずはオープンを目指したい」と話している。従来のコース(パー31)を復元し、手引きカートによるセルフプレーで9ホール単位でプレーを受け付ける。平日は到着順、土日は予約制で、7月に入ってからは土日のプレー予約も受け付ける考えだ。また堤防の外に2階建てのプレハブの事務所があり、レストランはないがリニューアルして営業に臨む考え。周囲の土地相場を気にかけるなど今後の展開も視野に入れているようだ。

葵会グループは全国で病院を取り囲むように介護老人保健施設を展開しており、病院等の再生でグループを拡大、学校法人の経営も広げている。また、2014年に破産管財人から一関CC(27ホール、岩手県)を引き受けてゴルフ場事業に参入、翌年にはパブリックのホテル&リゾート那須霞ケ城GC(18ホール、栃木県)の運営に着手、2016年9月には㈱アコーディア・ゴルフから千歳CC(18ホール、北海道)も取得して業容を拡大している。
グループの理念は〝「治す」と「防ぐ」を高いレベルで両立し、健康な人生をトータルにケアしていく医療を目指す〟ことだとしており、足立区にはグループの病院施設が2カ所あるなど縁があり、健康増進にゴルフ場での歩きも推奨していきたい考えとしている。

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※「ゴルフ特信」第6527号より一部抜粋

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