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2020.09.09
2020/9/9 ゴルフ場の入場者実績、コロナ対策に大幅左右される

新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、ゴルフ場の一部で営業の自粛やレストランの縮小を余儀なくされたが、前月や当月にゴルフ場が予測した数字より、実績が上回ったことが一般社団法人・日本ゴルフ場経営者協会(NGK、東京都千代田区)の調査結果でわかった。
会報「NGKだより」の6月号で「新型コロナウイルス感染症」影響調査(第4回入場者調査結果)としてまとめている。

それによると、地域別対前年同月比入場者増減(実績)は、今年1月度が全国平均で4・2%増、2月度が20・2%増だったが、3月度は7・2%減、4月度30・4%減、5月度26・0%減となった。
ただし、予測では新型コロナの感染拡大と政府・自治体の対策により、実績との差異が生まれたという。例えば3月上旬に集計した4月の前年同月比予測値は10~15%の減少、4月上旬での予測値は20~25%の減少と感染拡大と国の対策に比例して悪化の予測値が上昇していたという。

その4月は7日に7都道府県を対象に「緊急事態宣言」が発出され、16日に全ての都道府県が対象となったことから実績は同月上旬の予測値を8ポイント程度下回る約30%の減少となった。特に関東甲信越はほぼ半減の48・9%減という極めて厳しい結果になったとしている。
5月に関しては、4月上旬に集計した前年同月比予測値は25~30%減、5月上旬での予測値は35~40%減と、緊急事態宣言の期間延長に伴い悪化の予測値が上昇していた。その後、新規感染者数が減少傾向となったため、5月4日に39県、5月21日に2府1県、5月25日にすべての地域の緊急事態宣言が解除されたことに伴い、全国平均の入場者実績は5月上旬の予測値を12ポイント程度上回る26%の減少に改善。感染の収束が遅れた関東甲信越は前年度実績の約38%減という結果だったという。

また6・7月度予測に関しては、6月の入場者予測は3段階の移行期間が設けられた等のことから6月初旬の予測では5月実績程度の25%減と見込んでいるゴルフ場が多いという。7月は6月予測より5%回復する20%程度の縮小と徐々に回復に向かうのではと予測されているという。
いずれにしても、先が読めない状況であったのに違いない。NGKでは今月の調査も行っており、今度は西日本他の豪雨の影響も気になるところだ。

ちなみに同団体は今回、ゴルフ場のコロナ感染拡大防止ガイドラインを作成したり、ゴルフ場経営の立場から外国人労働者、税金問題などで関係当局との折衝、陳情にも取り組んでいる。また一昨年の西日本豪雨、昨年の台風19号等の激甚災害で被災したゴルフ場とは地方自治体との連携での補助金等で相談にも応じている。今回の緊急経済対策においては賃料等の補助金についてゴルフ場が関係する基準を確認した他、固定資産税の免除・減額について、ゴルフ場土地の固定資産税も対象となるよう折衝中という。
7月15日には大手ゴルフ場運営のPGMグループのゴルフ場が新規加盟(正会員1コース、副会員10コース)しており、業界の課題解決や共同購入など様々な点で影響力が増していきそうだ。

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※「ゴルフ特信」第6537号より一部抜粋

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