2021.04.02
2021/4/2 20年家計調査、コロナ禍でゴルフ関係は善戦
総務省統計局がまとめた2020年「家計調査」(家計収支編、なお2019年までのデータは修正されている)によると、ゴルフプレー料金やゴルフ用具の消費は減少したものの、コロナ禍でゴルフが人気となった状況が消費面でもわかり、かなり特徴の出た結果となった。
2020年家計調査でのゴルフ関係は二人以上世帯の世帯で見ると、ゴルフプレー料金の購入頻度は100世帯当たり124回で前年の139回と比べ10・8%減、1世帯当たり支出平均は7850円で前年の9340円より16・0%の減少となった。ゴルフ用具の購入頻度では100世帯当たり14回と前年と同じで、1世帯当たりの支出平均は1144円で前年の1268円より9・8%の減少となっている。
プレー料金支出に関してはかなりの落込みだが、2019年に増加した反動の形でもあり、頻度数が落ちていないことを考えると善戦した方で、特に夏以降の回復が目立ち、注目すべき点が多い。
二人以上世帯の世帯主年齢別で見ると、ゴルフプレー料金の頻度は60代が前年比9・1%減も189回で世代間トップ、次いで70代171回で15・3%の減少、50代81回で29・6%減と上位はマイナスだったが、40代56回で7・7%増、30代43回で87・0%増、29歳以下(以下、20代と表現)26回225・0%増と、50歳未満の若い世代の伸長が目立った。
2020年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で非常事態宣言の4月、5月にゴルフ場の売上高は5割以上減少する状況であったが、家計調査でもゴルフプレーへの消費は全世代平均で4月に頻度、消費支出とも57%の減少、5月は頻度53・3%減、支出59・5%減と半減以下となった。それが6月に3割減前後に改善し、7月は頻度は前年同様、支出は5・2%減まで改善、8月は頻度は8・3%減も支出は4・2%増とプラス圏も出てきて、11月に頻度27・3%増、支出12・8%増まで急回復した。もっとも12月は頻度10・0%減、支出14・7%減まで大きく減少した。
プレー料金支出の世代別では緊急事態宣言下の春先では50代、60代中心に落込みが大きかった。夏以降になると60代や30代が大幅増加した他、増加率では20代も増加が目覚ましかった。特に年末にかけて20代が爆発的に増加、60代も大幅増加したが、高齢者の重症化数の増加などでステイホームが政府などから要請された影響か、12月は70代の支出が50・7%減と半減した。12月に20代と60代が大きく増加したのは年末年始に帰省の自粛等があったことや、年末の需要が押し上げた可能性がある。
またゴルフ用具への支出では2020年は非常にばらつきが大きかった。全世代平均は頻度は前年と同じ14回だが、支出は9・8%減の1144円。春先前や夏にかけて世代の一部集中消費が発生し、秋以降は激しい消費が高年齢層で発生した。年間平均では頻度、金額とも30代が最も増加したが、単月で支出額が多かったのは20代の10月334円で、相当な集中購買が発生したようだ。若い世代や女性でゴルフを始めた人が増えたと言われたほか、久々にゴルフを再開したり、給付金等が用具購入に弾みを付けたようだ。秋まで低調だった50代や、夏以降急回復の60代での用具購入が激しく増えたことから、今後ゴルフプレー面での相乗効果が期待できそうだ。
3密が避けられるスポーツとして、世界的にゴルフの活動が増えており、その認知度は本物となっているようだ。