一季出版株式会社

2021.06.10
2021/6/10 第4次ゴルフブームの予兆か、練習場景況感大幅アップ

ゴルフ界は松山英樹選手のマスターズ優勝の歓迎ムードが続いているが、コロナ禍で唯一〝特需状態〟のゴルフ練習場では経営者の景況感や来場者数、売上が30年前の第3次ゴルフブームを凌駕する史上最高値の活況を示していることがわかった。
月刊ゴルフレインジ5月号(4月25日発行=ケージーアール出版)が報じたもので、同紙が今年2月に行った練習場の最新動向を知る「第45回全国ゴルフ練習場経営調査」によると、全国のゴルフ練習場を対象に行ったアンケート調査により、2021年の「景況感」を示すDI値は、昨年より38・2ポイント改善し83・6であったという。2020年実績の「来場者数」では、前年の30・5から41・3Pの大幅回復で71・8まで上昇、「売上高」も39・9P改善し、65・6となり、3部門とも好景気の判断とされるプラス50を大きく上回り、30年ぶりに到来した「第4次ブーム」と評していい活況値を記録したと報じている。

まず「景況感」は1989年の第3次ブーム期に記録したDI67・4を超えて、最高値を記録した。状況的には悪天候のあった18年に対して、19年は好天が続き、渋野効果もあって若者、女性ゴルファーの増加も後押ししたという。20年に入ってもその傾向は加速し、春からの緊急事態宣言で一旦は失速したかにみえたが、練習場特性が幸いしV字回復、この勢いは21年も続いているなどと分析している。
さらに景況感、来場者数、売上を地域ごとに詳しく報じており、地域的には九州が突出した「好景気」などとし、全国的にも最も厳しかった「売上」が「好景気」域に入ったことで三部門が揃い踏みしたと表現した。

翻って、ゴルフ場業界で見ると若者増加による来場者数は伝わっているが、売上まで全国的に回復した見方はまだ少ない。このためゴルフ界全体が第4次ゴルフブームに入ったと報じるには無理があり、ゴルフ場の新設も増えない状況で過去のブームとは大きな違いがあるが、数値上は前年対比で大幅増が数カ月続くのは間違いなく、今回の松山効果が加わればテレビ視聴者数などは大幅に伸びる可能性は十分ありそうだ。

関連記事:2021/1/2 韓国は新型コロナの影響でゴルフがバブル状態に

※「ゴルフ特信」第6649号より一部抜粋

過去のお知らせ一覧はこちら