2021.06.23
2021/6/23 3月動態統計売上高、ゴルフ場と練習場の伸び率逆転
経済産業省は先ごろ、「特定サービス産業動態統計」の令和3年3月分の集計結果速報を発表した。
それによると、同月のゴルフ場(経済産業局所在の8都道府県のゴルフ場、増減率は調査対象の見直しを行い不連続が生じているため経産省発表を採用)利用者数は67万5536人で前年同月比8・6%の増加(昨年は10・0%減)、売上高は62億88百万円で前年同月比8・9%の増加(昨年は16・5%減)で、売上高・利用者数とも2カ月連続の増加となった。
3月の内訳は、利用料金収入が平日で31・6%の大幅増加、土・日祝日で12・7%の減少となった。その他売上高では食堂・売店(直営)が6・1%増、キャディフィ7・7%増となった。利用者数は、平日で会員24・0%増、非会員28・2%増、土・日祝日は会員16・5%減、非会員16・6%減となった。
1~3月では売上高0・9%増(前年同期は4・1%減)、利用者数3・0%増(1・7%減)となり、昨年3月からコロナ禍の影響でゴルフ場も利用者数、売上高の減少が目立ったため、今年3月はコロナ禍が続く中でも反動増となった。
年度ベースの比較では、令和2年度の売上高は16・5%減(前年度は1・2%増)、利用者数は7・6%減(2・3%増)となり、売上高・利用者数とも2年ぶりの減少となっている。
今年3月の18ホール換算は、前年同月と営業ホール数が0・5%増加し、利用者数7・6%増、売上高6・5%増。客単価(1人当たり利用額)は1万円を割る9308円で、前年同月比97円、1・0%の下落となっている。1日当たりの利用者数は149・2人で前年同月比9・1%の増加となっている。
一方、3月のゴルフ練習場は、売上高が前年同月比8・3%増、利用者数は土・日祝日で12・6%減も、トータルでは8・4%増となった。売上高は6カ月連続増、利用者数は昨年7月から9カ月連続の増加と〝特需〟が続いている。年度比較では売上高0・0%増(前年度は1・9%増)、利用者数は3・0%増(2・5%増)で2年度連続の増加となっている。
練習場は一昨年夏からのしぶこフィーバーなどで盛り上がり、コロナ拡大期となっても回復が早かった。1打席あたりにすると今年3月は134・3人で前年同月の125・0人より9・3人増えている。
ちなみに今年3月は前年の反動もあることからゴルフ場や練習場だけが回復という訳ではなく、対事業所サービスでは10業種中4業種が増加、ゴルフ場などを含む対個人サービス業では10業種中6業種が増加となった。特に前年3月に閉鎖が目立った遊園地・テーマパークは1169・6%増と12倍以上もの増加と反動増が目立った。ただし、ボウリング場は19・7%減、パチンコホールは13・9%減とインドア系の対個人サービスは今年3月でも減少が続き、コロナ禍の影響からまだ回復していない。
緊急事態宣言やまん延防止などの新型コロナ警戒が続く中でゴルフは比較的3密を避けられるスポーツとして認識されている。4月の松山英樹選手のマスターズ優勝効果と前年の反動増もあり、当面は異例の大幅増加が現出することになりそうだ。