2021.07.09
2021/7/9 景気ウォッチャー5月、緊急宣言、まん防で再び悪化に
内閣府の『景気ウォッチャー調査』の令和3年5月調査が、8日に公表された。新型コロナウイルスの感染再拡大に伴い緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の期間が延長されたことなどが影響し、現状、先行きともDIが前の月を下回る結果となっている。
同調査結果によると、北海道から沖縄までの全12地域で『現状判断』(5段階評価)に回答したゴルフ場関係者は6地域(4月6地域)計8人(8人)で、最高評価の〝良くなっている〟は0人(0人)、〝やや良くなっている〟は1人(3人)、〝変わらない〟は1人(3人)、〝やや悪くなっている〟は4人(1人)、〝悪くなっている〟は2人(1人)という結果だった。独自にDIを算出すると、5月は28・1となり、前月の50・0に比べ21・9ポイント(以下、P)の大幅下落となっている。
前月(令和3年4月)はDIが標準の50だった現状判断だが、5月は「予約は順調に推移している。相変わらずシニア層の来場が多い」として甲信越地域の経営者が〝やや良くなっている〟と判断した以外に、良い方向で現状を判断するウォッチャーはいなかった。ゴルフ場入場者数は全国的に前年同月に比べ増加しているものの、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の発出、さらに西日本における例年より早い梅雨入りで客足も鈍っていることから、現状判断が厳し目となっている。
一方、『先行き判断』は、6地域(4月6地域)計9人(8人)が回答。〝良くなる〟は0人(0人)、〝やや良くなる〟は2人(3人)、〝変わらない〟は3人(3人)、〝やや悪くなる〟は2人(1人)、〝悪くなる〟は2人(1人)と、悪い方向に判断が偏り気味だった。この結果、先行きDIは38・9で前月の50・0より11・1P下落している。
新型コロナウイルスの終息がまったく見通せず、「ウイルスを完全に除去できない限り、GOTOキャンペーンなど派手に旗を掲げるのはやめてほしい。感染拡大の繰り返しになってしまい、結果、最悪の景気となる」(南関東地域、従業員、悪くなる)、「緊急事態宣言の再延長を繰り返しており、景気改善の可能性など皆無である」(同、経理担当、悪くなる)と悲観するウォッチャーがいる一方で、「ワクチン接種の進捗状況次第である」(北関東地域、総務担当、変わらない)、「東京オリンピックを強行開催しそうである。開催してしまえば、全体的な高揚につながる」(南関東地域、経営者、やや良くなる)と希望にも似た判断を下すウォッチャーもみられた。新型コロナという未曾有のウイルスに対する難局を乗り越える道筋が見えないなか、ウォッチャーの判断もまた対照的な動きをみせている。
なお、業種全般の5月DI(原数値)は、現状判断が36・4で前月比3・0Pの下落、先行きが46・8で同5・3Pの上昇となっている。先行きのDI上昇は、ワクチン効果への期待によるものだ。